岸田内閣の場合

技術士(応用理学)  横井和夫


 やっぱりアベ派幹部立件見送り。こんなことになるのじゃないかと思っていた。壁は政治資金規正法の時効5年の壁。もう一つが職務権限の壁。今回捜査対象となったのは過去5年間のパーテイー券収入とキャッシュバックの関係である。この間の会計責任者はいずれもキャッシュバックの処理は会長案件で事務総長権限ではなかった主張している。この間の派閥会長はアベ晋三と細田の2人。どっちも鬼籍に入っている。だから幹部は誰も立件できない。
 元々キャッシュバックの収支報告書不記載は、約20年前の森喜朗会長から始まったと云われる。森は第二次アベ政権の途中まで派閥会長を務めたが18年細田に交替。間一髪で時効の壁をすり抜けた。後は歴代の事務総長と会計責任者が口裏を合わせれば、アベ派幹部に累が及ぶことはない。会計責任者は逮捕起訴されるが、有罪となっても罰金か執行猶予付きの禁固。
 但し政治資金規正法ならここまでだが、別に所得税法という武器がある。裏金議員はキャッシュバック先を明らかにしていない。無論修正申告すればよいが、これまで誰もしていない。すれば裏金の使途が分かるからだ。更にパーテイー券収入全部を派閥に上げるのではなく、途中でネコババしていた議員も見つかった。ネコババ分は何処へ云ったのか?これも明らかにできないのだろう。つまり所得税法を使えば、裏金やネコババ分の行方を一網打尽にできる。
(24/01/14)

 後手後手能登半島地震対策のどさくさ紛れに岸田が打ち出した自民党党風刷新本部。どんなのが出てくるかと見れば・・・もともと本部長が岸田で顧問が麻生と菅だから、期待など出来るわけもないが・・・期待外れを通り越してあきれ果て。そもそも問題の発端はアベ派裏金造りから始まった。そうならこの際アベ派は脇に退いてもらって、身ぎれいなメンバーだけで組織を立ち上げるのが筋。ところが出てきたメンツをみて仰天。昨日からチラホラ名前が挙がっていたが、それだけで派閥横断的という感はしていた。そして本日その名があきらかになった。
 刷新本部メンバー38人のうちアベ派はなんと10人。全体の1/4強だ。現在自民党議員は衆参合わせて288人。そのうちおおよそ1/3の90人がアベ派。比率から言えばそれに迫る数字だ。田中角栄は全体の12%の議員を抑えれば国会は動かせると豪語した。1/4も持っていれば全体の議論を自分の都合の良いように持っていくは簡単だ。ましてこの1/4は結束力が高く、何よりも自分自身・・・国家や党ではない・・・に対する危機意識は高い。それに比べ、残り3/4はバラバラだ。勝負にならない。
 つまり出てきた刷新案は今迄どおり抜け穴だらけの泥縄案。これを岸田に押し付けてメデタシメデタシ。ただでさえ最低支持率を回復可能なチャンスだったのに、岸田派は再びそれを見逃した。運が悪いのではない。運は結構よい。政治家にとって運とは課題である。この課題が大きければ大きいほど、困難であればあるほど、解決すれば支持率はアップする。しかし岸田はそれらのチャンスを悉く自らが潰してきた。例えばアベ国葬ー統一教会問題、政治家や息子のスキャンダル、物価高対策等々。これらの課題を自らが先頭を切って決断すればよいものを、みんな周りの声に押されてそれに従うだけ。常にタイミングがズレている。この勝負勘のなさが安倍や角栄のような乱世型政治家との差なのだろう。今は乱世なのである。乱世に弱いのは宏池会の宿命か。
(24/01/11)
 

 岸田内閣鳴り物入りの自民党党風刷新本部。さて刷新されるべき党風とは何か?それは「派閥」と「世襲」である。ところがこの委員会の最高顧問に麻生太郎と菅義偉が就任?はあー?と思うのは筆者だけではなかろう。麻生太郎は既に派閥の領袖にして二世議員。菅は無派閥非世襲だが派閥を否定せず、周囲に自分に近い無派閥議員を集めて準派閥を作っている。何よりもこの二人、7年8カ月に及ぶアベ長期政権を支えた最重要閣僚。もう一つアベ長期政権を支えたのが清和会。今の裏金問題はこの清和会から始まっている。
 さてこんな2人を最高顧問に頂く刷新本部に本当の刷新が出来るのか甚だ疑問。若手が一所懸命刷新案を作っても、この老害二人に「こんなの駄目だ」と突き返されればどうにもならない。最終的には刷新委員会はやってる感だけで、刷新案は骨抜き、言葉が替わるだけで中身はこれまでと何にも変わらない、というのが実態になるだろう。それとも麻生・菅を引き込んで、アベ派の反撃を封じる高等戦術か?
 なおアベ派議員の内、池田・大野両議員が立件される見通し、両方ともキックバック額が過去5年で4000万を超える。この2人、12年当選の所謂アベチルドレン。そんな若造がン千万もカネを集められるとは、両方ともよっぽどの金ずるを掴んでいたのか?それとも先輩議員の隠し金を預かっていただけか?益々謎が深まるアベ派金脈問題。
(24/01/06)

 2023年12・13政変。この日岸田内閣はアベ派所属の閣僚4人の交替を発表し、翌14日4閣僚は辞表提出。更に萩生田他2人の党役員も辞表提出。これだけ見ると大変な政変、事実上岸田派による反アベ派クーデターだ。しかし党内には目立った倒閣運動も起こらず、みんな粛々と決定に従っているようだ。多分、岸田が怖いというより、世間の目が怖いのだろう。何故なら、みんな脛に傷もつ身だからだ。
 党内には「他の派だってやっているのに何故アベ派だけが叩かれるんだ」という不満もあるらしいが、それは他派閥に比べ、アベ派が突出して数も金額も大きいからだ。出る杭は討たれるのである。確かに同じアベ派でも実入りの大きいのは年より・ベテラン連中。若手は割を食うだけという不満もあり、一部のわかてには党を割る考えもチラホラ。それにN党の立花なんかが目をつけているらしい。
 アベ派若手というのは当選4回まで、いわゆるアベチルドレンだ。アベ晋三のお眼鏡にかなった人間ばっかりだから、当然テーゼは憲法改正、夫婦別姓反対、女系・女性天皇反対、教育勅語復活など復古主義敵であるはずだ。だったら維新・国民・百田保守なんかが目をつける。つけてもいいが、役に立つか?
 政党が目をつけるのは選挙に勝てるからだ。彼らアベチルドレンを執った処で選挙に勝てるか? 彼らには大きく2種類がある。一つは二世・三世という世襲議員。これは父(祖父)の地盤を受け継いでいるから、なにもしなくて選挙に勝てる。しかし維新など新興勢力とは無縁どころか敵対勢力である。
 もう一つが、市民の中からでてきた草の根候補。これは自前の組織・地盤をもっていないから、選挙はアベの押しと統一教会の選挙力が頼り。ところが今やその両方とも頼りにならない。おまけに”元アベ派=裏金政治家”というレッテルまで貼られている。こんな選挙力のないのを雇っても仕方がない、とフツーの人は思う。しかし世の中、「蓼食う虫も好き好き」とか、「悪名は無名に勝る」というわけで、こういうのを拾うのもいる。例えば上に挙げた三党だ。維新の馬場も立花も百田も、どちらかというと世間の正道というより「人の行く裏に道あり花の山」的人間だ。
 岸田の欠点はチャンスが目の前にあるのにそれを見逃し、或いは政策を打ち出すべき時それをためらってタイミングを逸する。それが支持率低下に繋がっている。今アベ派は混乱状態だ。この機を利用して、政治資金規正法強化・見直しを進めるとか、派閥解消をぶちあげるとかすれば、支持率は回復する。しかい未だにアベ派に脅えている気配がある。うっかりすると石破のような蝙蝠政治家に油揚げをさらわれるおそれがある。彼は自分でも広言しているように派閥容認論者だ。こんなのが出てくれば、自民党はまた同じことを繰り返す。
(23/12/14)

 松野更迭に続いて、内閣からアベ派一掃の動き。やっと岸田が本気になったか?しかしこの本気が何時まで続くかが問題。アベ晋三が殺害された時、筆者は岸田が人事権を使ってアベ派に揺さぶりをかければアベ派の分裂を誘えると考えた。しかし岸田はそうしなかった。アベ派99人数と、その背後にあるアベの陰に脅えたのだろう。
 ところがそのアベ派が、こんな形で崩壊すとは誰も想像出来なかっただろう。ことの発端は石川県知事馳の不用意な機密費暴露。それで内閣官房機密費とは何か?ということになった。そこへ新聞アカハタと神戸学院山脇教授の陣頭派閥パーテイー券キャッシュバック裏金疑惑に飛び火して大炎上。
 もし野党がかつての様に元気で一致しておれば、政府を追及して衆院解散総選挙に追い込み、政権交代を迫る絶好の機会。しかし野党はバラバラで、中には第二自民党なんて蝙蝠野党もいる。一強多弱の今、何もできずに指を見ているだけ。ガザでイスラエル軍が乱暴狼藉の限りを尽くしているのを、横で眺めているだけのアラブ諸国と同じだ。
(23/12/11)

 池田大作が死にましたが、これが政局に影響を与えるのかどうか?関心のあるところです。果たして影響はあるでしょうか?筆者の見るところ、公明党や創価学会に対しては、大きな影響はないと考えられる。池田大作はここ10年程、殆ど面に姿を表さず、おそらくは寝たきり状態にあったのではあるまいか。その間、学会も党も世代交替が進んでおり、池田が居なくなっても,党や学会の運営に大きな影響があるとは考えられない。
 池田大作の死があるのむしろ自民党への影響だ。公明党は結党以来、中道右派で基本的には非自民、時には反自民野党だった。一時共産党と手を組もうとしたのも、その流れだろう。これを主導したのは池田大作だ。細川連立政権で公明は新進党に参加するが、分裂で閣外へ。その後社公民、自公民などを経て99年、自公連立政権が発足。これを主導したのは、自民では野中務。公明では山口だが実際には池田が裏で指導「していたと考えられる。というのは、これに先立つ自公民政権の時、池田は「自民党との連立が理想だがね」と本音を漏らしている。つまり今の自公連立政権には池田大作が深く拘わっていたのだ。
 ではその結果何が起こったかというと、自民党選挙力の著しい低下・劣化である。つまり「選挙区は自民、比例区は公明」というスローガンで、自民選挙区には公明は候補を立てず、逆に自民候補の支援に回った。特にこの傾向は03年コイズミ郵政選挙や12年総選挙での、コイズミ・アベチルドレン議員誕生以後、著しくなった。又、この時期に統一教会が自民候補の手足となって働くようになり、益々選挙力低下に拍車をかけた。これは特に元々選挙力の弱いチルドレン議員に著しい。
 現在自民党は衆参合わせて、300数10人の議員を擁するが、その半分近くは自前では選挙を戦えず、創価学会や統一教会に頼らざるを得ないのが現状だ。ところが今、自公間の不協和音が話題になっている。先般の東京都青梅市長選でも、自民候補が敗れたのは、公明が自主投票に動いたからだと云われる。ということは、末端では自公選挙連携など既に夢物語。それが今まで持ちこたえていたのは、池田大作が重しとして自公連立を推したからである。その重しが無くなれば、自公連携は末端から崩壊する危険がる。
 そこでこれまで頼りになったのが統一教会だが、それも自民の裏切りで解散請求。自民はむしろ自分の味方を敵に回す羽目になり、選挙力はがた落ち。特に影響が大きいのが、公明とパイプが太い旧経世会の茂木派、ついで麻生派、二階派が影響を受ける。だったらアベ派はウハウハかというとそうでもない。統一教会を頼れなくなったし、LGBT問題で派内極右派は「日本保守党」に流れるかもしれない、。これではとてもじゃないが解散など夢の又夢。年明け、或いは来年通常国会明けに内閣総辞職ということになるのではないか?
(23/11/19)

 最新の共同通信世論調査で、岸田内閣支持率遂に30%割れの29%。イスラエルのネタニヤフの支持率が28%だから、不人気度はいい勝負だ。これ岸田一人の所為でしょうか?先に述べたこともあるが、そもそも岸田には首相になってこれをしようと云う目標がない。只首相になることだけが目的だった(と本人自らが述べている)。だから第二次アベ政権下で外務大臣を務めても独自の外交はできず、アベの云うママあちこち駆け回るだけだった。その後の総裁選でも、戦って勝ち取るというより、ひたすら禅譲を願うのみ。だからアベに馬鹿にされてきた。
 さてこの調査では内閣だけでなく、政党別支持率も調査されている。これでは自民党は約5ポイント下落。これは岸田の割を食ったためだろう。そしてこれまでイケイケだった維新も同じく約5ポイント下落。他は概ね現状維持。維新が支持率を減らした理由は何か?相変わらず多いのが議員のスキャンダル。例えば衆院大阪10区池下の公設・私設秘書兼任問題とか、音喜多の下半身ポロリ映像事件とか、がある。しかしこんなのは政党支持率には大きな影響は与えない。やはり一番大きいのは大阪・関西万博問題だ。
 当初予算から1/9倍2350億円に膨れ上った会場整備費について、大阪府知事の維新吉村は「建設費はこれが最期だ」というが、何をもって建設費というのか、はっきりといわず、なおも高騰する可能性に含みを残している。又増額分11000億円は国・大阪府・市・経済界での負担が決まったが、そのプロセスがイマイチ不透明で、万博協会(事実上維新のダミー)と政府・財界との直接取引で決まっている。この点が大阪府以外、特に関東・東日本で不信を買う原因になっている。
 更に経費増に関する万博協会の記者会見でも、協会副会長で最大の事業責任者の一人でもある吉村が、あたかも一般国民の代表のような顔をして「経費節減に務めてもらいたい」などと他人事の様に詰問するのは、始めから経費増を見越した責任逃れのパフォーマンスだろうと見破られてしまっている。そんなこんなで、全国にあふれるのは万博中止論。それにも拘わらず関西マスコミは、相変わらず万博ヨイショ報道が先行。ジャニーズ問題で明らかになった、メデイアの権力ヨイショ忖度体質は、ここ大阪ではマダマダ生きている。
 その中で経団連の十倉が、周囲を囲むリングと称する木製の柵にについて、「分断されている世界を結びつけるにも、これは必要だ」と発言。なんとまあ、エモーショナルな、とあきれ返る。この柵、工費350億とも云われる。今の日本では、大型の木造建築を作れる木材は国産では供給出来ず、みな輸入だ。かつての円高時代ならいざ知らず、間のような円安では当然価格は今後高騰する。
 つまり、もう既に足元から今後の経費増が迫っている。十倉は住友化学会長だ。今後為替レートがどう動くか分かるはずだ。それにもかかわらずこんなことを云うのはドンカン極まりない。そういえば、岸田の周囲には、松野とか茂木とか麻生とか、日本のミスタードンカンが勢ぞろいだ。これが支持率低下の根本原因だろう。
(23/11/07)

 岸田内閣支持率低下が止まらない。このままいけば年内に、史上最低支持率を記録した森内閣の記録を破るのではないか、なんて話も出ている。これではとてもじゃないが解散など打てない。では何故こんなに岸田が不人気なのか?それは期待と実際との乖離が大きすぎ、何を言っても不信感が先行してしまうからだ。
 岸田内閣発足時、国民の期待は大きかった。どういうことかと云うと、それまでのアベー菅政権が強権的で、国民からの信頼感を失っていたからだ。経済的にも、リフレ派の清和会がバックでイケイケドンドンの低金利・円安政策。国の借金と企業の内部留保は積みあがる一方だが、国民への還流がなかった。それに対し岸田はハト派の宏池会で、財政再建派。又「聞き上手」などといって、アベ-菅強権政権とは一線を画す、と思われていた。しかし見ると聞くとじゃ大違い。「聞き上手」とは、実際は最大派閥のアベ派と財務省の言い分の「聞き上手」だ。
 岸田だけでなく彼を取り巻く政権中枢部も酷い。中でも酷いのは官房長官の松野と幹事長の茂木、それに総理の足を引っ張る天才の河野太郎、タカ派発言で内政・外交を揺さぶる高市早苗。 松野、茂木は21年アベ国葬問題で妙なことを云って、内閣支持率低下に貢献した。河野太郎の足の引っ張り方は、マイナンバーカードと健康保険証の紐づけ迷走で明らかだ。松野のボンクラ振りは、ガザ問題でのG7によるハマス非難決議で、日本だけが加わらなかった理由を聞かれ、日本人の人質はなかったからだという珍答弁。これにかみんなあきれ返っただろう。
 他の六カ国はかつてのユダヤ人迫害に、何らかの形で関与し今のイスラエルに負い目を持っている。ドイツの責任はいうまでもない。フランス・イタリアは協力者だった。イギリス・アメリカ・カナダは迫害を受けたユダヤ人を見捨てた。イスラエルに負い目がないのは日本だけだ。パレスチナの和平に貢献できるのはG7の内日本だけだ。だから安易な非難決議には参加しない、といえば良かったのだ。
 他の閣僚や補佐官連中も負けていない。内閣改造の度に出てくるのが閣僚の不祥事・スキャンダル。政務官の杉田水脈の差別発言認定に続き、極めつけは内閣補佐官の木原誠二問題。更には江東区長選違反に絡む柿沢問題。人事が出来ていない。つまり身体検査が出来ていないのだ。。ということは、岸田にはそれが出来る参謀がいないということだ。内閣や自民党人事を派閥バランスでやったから、内閣の方針は方向性を見失い、バランスを欠くことになった。これが支持率低迷の最大の原因である。
 又「減税」問題での国会答弁でも、あんなチンケな景気対策で、今のデフレ雰囲気を一掃して景気好循環に向かわせるなどと、ありそうもないナラテイブを並べる。これなど財務省が書いた筋書きを棒読みしているだけ。国民の誰も信用していない。これではイカンと、あれこれ考えた末の上川外務大臣イスラエル派遣。今更イスラエルへ行って何をするのか?今のイスラエル世論は、アンチネタニヤフが50%を越えている。今の戦争が終わればネタニヤフが首になるのは顕か。そんなのと合っても何にもならない。もし人を中東に派遣するなら、私ならトルコに派遣する。今後の中東情勢はトルコが握る可能性が大きいからだ。
 つまり経済は財務省の言いなり、得意のはずの外交もアメリカの言いなりで、一体全体岸田が何を目指し何処へ行こうとするのかが、さっぱり分からない。以前、小学生から何故総理大臣になりたいのかと聞かれ、「それは総理大臣が日本で一番偉いからだ」と答えたが、この無目的性・没個性キャラが全ての答えだろう。
(23/11/01)

 昨日の衆参補欠選挙。結果は自公与党の一勝一敗で、岸田も選対の小渕もかろうじて首の皮一枚繋がった感じだ。これに加え、支持率は相変わらず、時代遅れの巡航ミサイル・・・レーダーでも探知出来ない低空飛行で、上昇せずに目標に激突する・・・並みの史上最低低空飛行。これではとても解散は打てない。原因は云うまでもなく景気対策である。物価上昇に対し何ら手を打てていない。それどころか増税に次ぐ増税で、ついたあだ名が「増税メガネ」。筆者が中学生ころ、新聞」によく載っていた記事が、今年の減税はいくらか!だった。時は昭和30年代後半。あの頃の日本は毎年減税していたのである。そして時の総理は、岸田の師匠筋に当たる「宏池会」創始者の池田隼人。
 その日本が減税しなくなったのは、後の佐藤内閣から。次の田中角栄は自動車重量税を創始したり増税はしたが、大衆増税はしなかった。ところが風が変わったのが、73年の第四次中東戦争に伴うオイルショック、それに続くニクソンショックとそれに続く円高。これにショックを受けた政府は、景気回復のため赤字国債発行に踏み切った。これが現在に続く借金財政の始まりである。
 消費税導入の議論が始まったのは、大平内閣の時。しかしこの時の心労がたたっか大平は選挙期間中に急死。その後竹下内閣まで、誰も消費税のシの字も出さなくなった。
 古来、洋の東西を問わず、税を引き下げ公共事業を止めて国民負担を下げた帝王は明(名)君とされる。逆に幾ら領土を広げても、しょっちゅう戦争ばっかりやったり、巨大な宮殿や神殿を作って国民負担を大きくした帝王は暗君又は暴君と誹られ、歴史上の評価は散々だ。
 今の日本の経済対策で緊喫の課題は、短期的な景気対策」ではなく、長期的な物価安定政策である。急速な物価高騰は国民には消費意欲を削ぎ、企業には投資意欲を削ぐ。ひいてはデフレの悪循環だ。安直な現金給付など、国や自治体の借金を増やすだけで、長期的には何の効果もない。百害あって一利なしだ。そして利権の温床確実の森林環境税を取りやめねばならない。
 こういう時にやらなければならないのが減税である。昨年度政府歳入は38兆円の税収増となった。この大部分が消費税収入だ。他にガソリン税とか自動車重量税など生活必需品課税もある。物価が上がれば、それに連動して消費税他の税収入も増えるのは当たり前。決して財務省のお陰ではない。
 税収増を還元するなら、それは消費税やガソリン税」などの生活直結税の減税が筋である。所得税減税や法人税減税などを喚くアホもいるが、こういうことを云う奴は、外資ーアメリカーの意向を汲んだスパイと考えたほうが良い。そもそも所得税を払っている国民は実は全国民の一握り。法人税に至っては9割りが払っていない。払っていないものの所得税を下げても、金持ちとか大企業が得をするだけで、国民的には全く効果はない。それより消費税やガソリン税のような大衆課税を引き下げるほうが効果がある。まず消費が伸びる。消費が延びれば、消費税率を下げても税収も増える。従って政府税収は大きくは変わらない。こんなことは誰でも分かる。あの森永卓郎も、そういっている。
 これに対し相変わらず消費税増税を主張する連中がいる。それは日本経団連と関西経済連合会である。何故か? 今や日本企業の6割は海外投資家によって支えられている。つまり経団連や関経連企業は海外投資家によって首根っこを抑えているのだ。彼らにとって日本の一般消費者のことなどどうでもよい。彼らが確実に日本から富を吸い上げるには、消費税増税が最も手っ取り早いのである。その手先になっているのが、財務省ではなく、経産省。そして自民党内に残るアベノミクス派である。
(23/10/23

 昨日衆院細田の記者会見、あんなものだとは思っていたが、それにしても芝居が下手すぎる。なんとなく前かがみでヨタヨタと現れ、如何にも疲れた、という表情で力なく喋る。79才だから、筆者より一つ年上、アメリカのバイデンと同じ年だ。今の70代はもっと元気で声にも張りがある。なんとなくお手柔らかに、という下心が見え見えだ。10年ぐらい前になるが、東京オリンピック経費暴騰で、招致当時の石原慎太郎宅にメデイアが殺到した。その時、慎太郎は目を皴ばらせ、如何にもヨボヨボ感じで「一体なんでこんな年寄りに何を聞くんだ・・」などと、哀れみ乞う態。細田もこれとそっくりだ。
 さて細田会見で、筆者が注目したのは次の2点。
1、三年前、名古屋で行われた統一教会式典での挨拶。ここで来賓として現れた細田は、韓鶴子総裁に散々オベンチャラを並べた挙句「本日のことはアベ総理にも必ず伝えまず」と明言している。この点については、細田は以前から「あれはその場の雰囲気でつい出たもので、只のリップサービスだ」と強弁している。昨日の会見もその延長線上にある。しかしビデオでの迫力気迫は、とてもリップサービスとは思えない。おまけにリップサービスに一国の首相の名を持ち出すとは、真にもってけしからぬ話である。総理大臣も舐められたものだ。自民党は自分達の推した総理・総裁を、只のリップサービスに使われて黙っているのだろうか?
2、最後に今後の会見について、「会見ではなく、会談をしていこうと考えてている」と回答。つまりオープンな記者会見は何を言われるかわからないから御免蒙りたい。その代わり仲間内だけの密室会談はやっていく。傷の舐めあいだ。これなら何を喋っても外にばれない」という本音。当に古い「昭和」の亡霊だ。
 なお、上に挙げた石原慎太郎は、ヨボヨボ姿の下手な芝居の二三日後の某テレビ番組で、ヨボヨボどころか、国士然として拳を振り上げて大気炎、何処が年寄りだ。同じように細田も、テレビ記者会見ではヨタヨタのフリだが、次の衆院選では多分選挙カーの上で、鉢巻巻いて拳を振り上げ、「ガンバロー」とやっているだろう。
(23/10/15)

 日本経団連といえば、日本の代表的大企業が所属する経済団体で、その会長といえばかつては財界総理とも呼ばれ、ある時は世界を動かす10人の人物に選ばれたこともある名誉ある地位である。従って、経団連会長は人望は勿論、常識があり見識も優れ、その言動は人々の共感も得られるだけの重みがある筈だ。では実態はどうか?過去にはそういう人もいた。例えば東芝会長だった土光敏夫、同じく石坂泰三などだ。しかしこのところの会長は、日本経済の落ち目に比例して、すっかり軽量化してしまった。その典型が、今の会長十倉雅和(住友化学会長)である。
1、ジャニーズ問題について、十倉は先日の機sh会見で「これはジャニー喜多川個人、ジャニーズ事務所、放送界、芸能界だけでなく、社会全体が反省しなくてはならない」と発言した。これに違和感を感じたのは筆者だけでなく、今やネットでは炎上状態。
 ジャニーズ問題に関係する業界はジャニーズ事務所だけでなく、放送界、芸能界や広告業界、更に事件が発覚し最高裁判決が出た後も、20年以上に渉ってジャニーズタレントを、CMコンテンツとして利用してきた日本の産業界、中には変え団連加盟会社も多くいたはずだ。つまり経団連もジャニーズ問題に一役かっていたのだ。
 それをほったらかして、責任は社会全体にあるというのは、典型的な責任転嫁、問題のすり替えである。その意図はジャニーズ批判が業界を飛び越えて、スポンサー企業ひいては経団連迄及ぶのを阻止するための牽制ともとれるが、下手すぎる。
2、今や物価高で世間はひーひー云っている。岸田も腹にもない減税を叫ばなTければならなくなった。その時にいきなり消費税の更なるアップが必要と発言。物価高を抑え、継起を浮揚させるには減税が一番だ。中でも消費税とガソリン税を減税すれば、効果覿面なのは誰でも分かる。しかし与党も政府も誰も云わない。何故かというと、消費税減税には財務省が反対する。財務省にとって物価が上がれば上がるほど、税収が増える。ガソリン税・自動車重量税減税には国交省と地方自治体が反対する。これらは地方の道路整備の重要な在園である。これが減らされれば地方での公共事業が減り、地方建設業界が立ち行かなくなる。
 そして経団連が消費税増税を言い出す理由は、岸田が世論の圧力に負けて、これらの減税に踏み切れば、代替財源としてねらわれるのが、法人税と富裕税。アベノミクスで始まった法人税減税はゼロ金利と同じく、企業にぬるま湯状態の居心地の良さを与えた。ここに法人税増税となればこれまでぬるま湯にどっぷり漬かっていた日本のボンクラ企業は大変だ。経団連加盟社の中にも倒産企業が発生するかもしれない。これを防ぐための牽制だ。
 以上述べたことをまとめると、十倉の頭にあるのは、経団連という組織に代表される日本の保守的重工長大産業の延命・保護という組織防衛だけだということだ。そのためには、ジャニーズ問題や今の日本の経済的低迷を社会全体に摩り替え、国民に責任を転嫁することも辞さない。
 昔筆者が務めていた会社では、筆者が率いていた部門は常に黒字をたたきだしているにも拘わらず、全社では最終的に赤字決算。何故赤字になるかというと、何にも考えずひたすら赤字だけを出す部門があって、それが足を引っ張っているのである。ところが、経営側はみんなで出した赤字だからとその事実に目をつむり、問題の本質を社員全体の責任にすり替え、赤字部門をそのままにした。結果としてその会社は倒産してしまった。筆者はそうなるズーッと前に退社していたから助かった。
 十倉の様に、問題の「本質を明らかにせず、責任を曖昧にしておけば、いずれ日本は経済的に「沈没」するだろう。愚か者としか言いようがない。そもそも住友という組織の社風 が、社会全体より自己利益を優先する傾向がある。その伝統が十倉に乗り移って、今回のような発言になったのである。
(23/10/12)

 今時日本の大企業、中でも海外展開するような企業で、年功序列制を執っている会社は、殆ど無いだろう。そんな前近代的・封建的制度を何時までも残しておけば、確実に国際競争に敗れるからだ。中小企業はどうか。実は中小企業、特に独自技術を持つ企業には、もともと年功序列なんてシステムはない。中小企業の世界は、昔から激しい価格競争と、先輩ー後輩の徒弟制で鍛えられているからだ。徒弟制社会では、少し見込みがないと思われると、容赦なく首を斬られる。だから新入社員でもウカウカしていられない。今時功序列が翁幅を聞かせているのは、公務員と自民党、それと労働組合位だ。
 このほど第二次岸田内閣発足と同時に、自民党人事が行われた。これで注目を浴びたのは、統一教会汚染の萩生田が相変わらず要職に付いたのと、差別発言で法務局から警告を受けた杉田水脈が環境部会長、パリ研修で公私混同を非難された松川るいが副幹事長と、いずれも党内序列を上げたことである。これはその後世間の批判を浴びている。
 今の世の中、こんなことをすれば、世間の顰蹙を買うのは当たり前なのにそんなことをするのは何故か?。岸田が世間の声に鈍感なのはあたりまえだが、何よりも大きいのが、自民党人事の基本が年功序列主義で、当選回数と派閥力がものをいうからである。
 新規組閣の度に出てくるのが、「入閣待機組」という言葉。これこそ古き年功序列制の尻尾だ。その結果、「PCを使ったこともない」爺さんがデジタル相になったり、中国の海産物輸入規制を「考えたことなかった」ような人物が農水相になったりするのである。今回の組閣でも小学校教員の不足に対し「打つ手がない」と他人事のようにいうアホが文化相になっている。
 こういう馬鹿とか、人格的・モラル的に問題がある人物が、単に当選回数が多いとか、党への貢献度が高いとかいった非合理的基準で、党や政府の要職に付くのはプーチンのロシア、習近平の中国と同じだ。当に亡国の前兆である。
(23/09/30)

 南米コロンビア大統領の国連総会演説の映像がコロンビアで放映された。会場は満席状態。ところがこの映像、バックの会場を、バイデンの演説に差し替えたフェイク映像。実際はガラガラだった。この大統領、かつて汚職で逮捕された前科があり、「三つ子の魂百迄」で、ついやってしまったのだろう。
 では我が国首相の国連総会での状況はどうだろうか?皆さんは気が付いているかいないか、我が国首相が演説しているとき、日本のテレビカメラは、首相だけを映し、決して会場は映さない。しかし今から10年ぐらい前だろうか、某テレビ・・・日テレではなかったかと思うが・・・偶然、演説中の会場にカメラをパンしたことがあった。殆ど放送事故常態だ。演説していたのはアベ晋三。会場はガラガラ、数人の記者らしいのが足を組んで聞いているだけ。空気に向かって演説しているようなものだ。これでは支持率が下がるから、日本では首相演説は本人以外は映さないのである。
 国連総会での観客動員数は、その国の世界に対する影響度を表す。その点で、やっぱりアメリカ大統領の演説は重要だ。アメリカと同じぐらい重要度の高い中国の習近平は総会には姿を現さず、国連大使が代行した。同じくロシアもプーチンは現れずラブロフが代行した。両方とも国連を無視しているということか?
 そんなことはない。両方とも他国より国連外交を重視している。それは数において圧倒的に多い発展途上国を味方につけ、国連総会を乗っ取ろうという戦略をもっているからだ。中国は80年代鄧小平南方講話で、国連を戦場とした反帝国主義闘争の重要性を明らかにしている。
 さて岸田の国連外交戦略はいかに。国内ニュースでは、いつもと同じ正面か斜め横からしか映さない。ということは、岸田はやっぱり世間から注目されていないのだ。国内の選挙演説ならサクラを動員できるが、国連総会ではそうはいかない。世間の注目度が如実に現れる。外相を外交シロウトの上川に変えた以上、岸田が責任を持たなければならない。出来るかあ?
(23/09/25)

 第二次岸田内閣が成立しましたが、筆者が興味を覚えたのは外相の林芳正の処遇。そして統一教会との関係。林はなんと閣僚にも、党役員も選ばれず無役。はたしてこれは党内保守派の反発に配慮した結果か、それとも当面閥務に専念させ、解散総選挙に備えるシフトか?
 統一教会については萩生田の処遇がポイント。政調会長留任とは、どっちつかずの模様眺めといった処か?ところが54人の副大臣・政務官の顔ぶれを見ると、なんと半数近くの26人が統一教会汚染議員。これは自己申告によるものだけだから、実数はもっと多いかもしれない。最も統一教会との縁が濃かった萩生田を党要職で残しているのだから、自民党の汚染度は全く替わっていない。それどころか、内閣だけでいうと、返って増加している。
 それに加え、岸田は統一教会問題を、「今回の調査を最後とし、年内に結論を出す」と言い切った。これは一見強い覚悟の現れのように装うが、実態は統一教会への追及は今回・今年が最後、後はやりません、と云っているのに等しい。
 今文科省・文化庁は解散請求を急いででいるが、統一教会側は、それを訴訟で対抗すると宣言している。もし裁判所が教会側の主張を受け入れれば、法廷闘争が延々と続く。その間被害信者は救われず、統一教会は従来通り好き勝手なことができる。それに手を貸すのが、今の岸田政権だ。「岸田統一教会汚染或いは温存内閣」というべきだろう。
(23/09/16)

 8月の各社内閣支持率が出揃ってきました。最低は毎日の26%で前月と変わらない。元々自民党寄りの読売・日テレ・FNNでも35から40%と変わらない低い数字。5月にはG7効果で50数%と回復を見せたが、これは岸田の実力というより、飛び入りのゼレンスキー効果によるもの。その後、木原問題や秋元風力発電疑惑などが飛び出して、支持率は下がりっぱなし。本当は支持率を回復しようと思えば出来たチャンスが幾つかあったのに、岸田が自ら潰してきた。
1、6月、マイナンバーカードと健康保険証の問題が出てきたとき、担当大臣を入れ替えるぐらいの荒療治をやれば、だれたデジタル庁も厚労省も少しはしっかりしたかもしれないが、このままいけば秋の総裁選で河野を落せると、スケベ根性を出したために、河野に居直られ、せっかくのチャンスを潰した。
2、7月、台風7号に伴う線状降水帯で、北九州・西中国は大被害。それにもかかわらず、リトワニアでのNATO会合に出席。この時イタリアのメローニに倣って、NATOをキャンセルし、被災地に飛べば少しは見直されたかもしれない。
 外交の岸田を見せたかったのかもしれないが、そんなもの誰もみていない。肝心のNATOは日本なんか当てにしていない。ウクライナ戦後復興事業でも、日本はそっちのけで、自分達だけで縄張りを決めている。
3、そして福島第一原発処理水海洋放出問題。何の根回しもなく、いきなり今年の夏に放出開始と言い出す。するとアホの公明山口が「今年の海水浴は延期を」なんて余計なことを口走る。与党内で足の引っ張り合いをやっているのだから、は話にならない。そして何の根回しもなく、8/25放出決定。
 放出するならするで、筆者は何度も言うが、現地で処理水・・・同等の水・・・をみんなが見ている前で呑むとか、「無論呑んで見せます」と啖呵を切る。それが出来なかったのなら、今からでも遅くないから、福島で処理水一気飲みパフォーマンスをやるべきだ。そういうことをせずにダラダラ時間を置くから、中国からのイチャモンが増え、支持率が下がるのである。
 以上、3点岸田内閣支持率低下の原因を挙げたが、共通するのは、危機管理の失敗である。危機管理で重要なことは、テレビで頭の下げ方をどうするとかではなく、タイミングを逃さず、外さないことである。そして危機の本質は何かをよく見極め、焦点を外さないことである。
 問題の焦点は何か?中国や韓国反政府派が騒いでいるが、こんなものはどうでもよい。問題は国内漁業問題である。日本の漁業政策には様々な矛盾があり、処理水放出が無くても、いずれ日本漁業は消滅しかねない。今回の処理水放出は、日本漁業の構造改革を迫る一大チャンスでもある。風評被害如きにビクビクせずに、このチャンスを生かしきれば、岸田は令和の名宰相になれるだろう。
 さてこの低支持率が政局にどう影響を与えるか?当たり前だが、当分解散はない。解散が無ければ岸田政権は野垂れ死にだ。では誰があとを引き継ぐのか?これがパッとしないのが、今の自民党の最大の問題点。例えば河野はマイナンバーカード問題で味噌をつけているから、これを看板にしても選挙には勝てない。萩生田は統一協会問題がある。高市の勢いはアベの後押しがあったからで、それがなくなれば只のババア。国民人気は石破だが、党内基盤が弱いから総裁勢力にはなり得ない。
 何故こんなに人材が払底してしまったのか?一つは小選挙区制である。小選挙区制は人材をそだてるのではなく、消耗してしまう。その次が、これを逆手に取ったのコイズミとアベのチルドレン選挙である。これで古いベテランは淘汰されたが増えたのは親分の云うままにワーワーギャーギャー騒ぐチルドレン。悪貨は良貨を駆逐し、世界は愚者の天国となる。
(23/08/28)

 G7広島サミットで、イタリアに大洪水が発生すると、イタリアのメローニは最終会合をキャンセルして急遽帰国し、災害対策の指揮を執った。一方日本では、7月九州・中国地方で発生した線状降水帯で、大被害が出たが、それにも拘わらず岸田はリトワニアでのNATO会合やなんかで本国を留守にする。危機対応についてはメローニとは大違いだ。これも直近の内閣支持率低下に繋がっているのだ。
 そして最近露呈した岸田の危機管理能力のなさが、木原問題である。木原問題といっても、週刊文春が暴露している、木原の妻X子とその前夫の問題ではない。某BS-TBS報道番組で、訳知りジジイの7田崎史郎が明かすのは、当初岸田はマイナンバーカードの来年秋廃止には反対だった。そこで木原を推進派の河野太郎と加藤勝信の下に遣わし、説得を試みた。ところが両名から逆襲され、来秋廃止に同意してしまった、というのが実情らしい。つまりミイラ取りがミイラになったわけだ。子供の使いじゃあるまいし、あっさりミイラになってしまった木原も木原だが、肝心の岸田はどういう指示をしたのか。
 本当に岸田が延期を考えているのなら、「何が何でも了解させて来い。相手が了解するまで帰ってくるな」とか、「これは総理の意志である、納得できなければ辞表を出せ」と云ってこい位の指示をしなくてはならない。なんとなく「延期の方向で考えてもらえないか」とか、中途半端な指示を出していたのではないかという疑いが残る。
 政治に妥協は付き物だが、はじめからネタを出してしまっては交渉にならない。岸田はその政治の初歩中の初歩をわきまえていない。これが危機管理能力の不作、危機意識の欠如と世間で批判される素になっている。支持率が低下するのも当然だ。世襲議員の最も悪い面がでてきた一例である。
(23/08/05)

 松川るい他自民党女性局38名のパリ旅行が今ネットやメデイアで叩かれ放題。それにメンバーの誰か(今井絵里子という衆院議員)が「費用は自腹です」とか下手な言い訳をするものだから、余計炎上が広がる。またネット批判に対し、ホリエモンや保守系評論家が、「ネットの批判は嫉妬だ」とか「ネット批判は底が浅い、余裕がない、ユーモアセンスに欠ける」とか、自分が如何にも世間から超越した存在であるかのように見せかけ、上から目線でネットを逆批判するのも現れる。
 確かにネット批判は嫉妬に基づき、底が浅いかもしれないが、元々ネット空間とはそういうものである。それを批判する自称文化人もネットを利用しているのだから、同じ穴のムジナだ。
 ずばり云えば、本人達がどう言い訳しようと、写真を見る限り、あれは研修などといえたものではなく、観光旅行である。そう思われても仕方がない。何故そうなるかというと、彼女たちがテーマの「少子化問題」の本質をわきまえておらず、それ以前に研修とは如何にすべきかすらも分かっていないことが原因である。
1、何故研修国にフランスを選んだのか?フランスは確かに一見人口問題を解決したように見えるが、その方法には問題があり、日本が学ぶ物は何にもない。戦後50~70年代、フランスは深刻な人口減に悩まされた。80年代辺りから人口問題に取り組み、90年代に人口増に転じた。人口が減少した理由は、戦後ベトナムやアルジェリアを始めとする植民地が次々と独立したからである。そして急に人口増に転じたのは、旧植民地からの移民を奨励した・・・もっと細かい話をすれば、ドゴールの登場でフランスはフランを切り上げ、悪性インフレを退治し、更にEUの成立で、ユーロという強い通貨を手にした・・・・からである。問題は内国人口増加率である。これがマイナスであれば、実質フランスは人口減少国家だ。
 日本は植民地を持たず・・・持とうとしたが失敗・・・、戦後も頑なな通貨政策で外国人移民を拒んできた。個人所得が増えれば、出生率が下がるのは、日本だけでなく、フランスでもドイツでもアメリカでも皆同じだ。今は韓国や中国が同じ悩みを抱えている。アメリカやイギリス、フランスはこれを移民でカバーしようとした。そもそも移民を拒否してきた日本・・・特に松川が属する自民党保守派・・・に、フランスのような政策が参考になる訳がない。
 しかしスウェーデンなど北欧諸国は必ずしも移民に頼らなずに人口問題をクリアーしている。それはこれらの国が、従来社会民主主義的政策で、出産・育児・教育に手厚い保護をおこなっているからである。新自由主義競争社会をテーゼとする自民党とは肌が違いすぎる。つまりどっちに転んでも、フランスや欧米諸国の政策は・・・自民党が従来のテーゼをひっくり返すのなら別だが・・・自民党女性局の参考にはならない。
2、次に「研修」だが、この言葉ぐらいいい加減なものはない。それをいいことに、世の中には「研修屋」とでも呼ぶべき利権産業がある.。昔顧問をしていた会社に頼まれて、労働安全研修とやらに出席したことがある。出てきたのは,多分労基のOBだろう。ところが喋った内容というのが、労働安全とは無関係の与太話。それも既に何処かの新聞や週刊誌に載っていたパクリネタ。それで一日ン10万は持っていくのだろう。こんなものは何の役にもたたない。それどころか、百害あって一利なし。その他サラリーマン時代、管理職研修等というものもあったが、大抵只の飲み会で終わっている。それは研修を主催する経営者や講師らが、何のための研修かが分かっていないからである。
 本当に研修するなら、軽井沢か何処の研修センターを借りて、1週間か10日程缶詰にする。まずテーマを明確にし、研修生にはテーマについて、これまでの各自の取り組みを小論文として・・・生成AIを防ぐために・・・記述させる。出来ないものはその時点でアウト。次にサブテーマについては専門の講師を招へいする。それぞれ最後に小テストをしてもよい。最後に総合討論を行い、最終記述テストをおこなう。これぐらいやらなくては、政治家の研修とは言えない。
(23/08/02)

 一旦落ちだすと止まらない岸田内閣支持率。息子の祥太郎問題や統一地方選でのゴタゴタで年初来の支持率下落が5月のG7サミットで何とか持ち直したものの、このところ再び下落に転じる。最近の調査では時事通信が最低で30.7%、他でも30%半ば。更に自民・政権ヨイショメデイアのフジ・産経最新調査でも41%。かなり危ない。このまま行くと8月には危険ライン(概ね25%前後)に近づきかねない。そうなると解散総選挙どころではなく、党内から岸田降ろしの声が起こっても不思議ではない。
 この支持率下落の原因は何かというと、いうまでもなくマイナンバーカードトラブル。どんなシステムでも、使い始めはトラブルが発生するのは当たり前。素直に謝っておけばよいものを、担当大臣の河野太郎が、殆ど居直りに近い傲慢な答弁を繰り返すものだから、余計に火が広がる。首吊りの足を引っ張っているようなものだ。
 もう一つ云えるのが、この内閣の危機感の無さだ。殆ど鈍感と云ってよい。それは今月に入って、梅雨前線とそれに伴う線状降水帯による洪水被害である。これは7月10日頃からの北九州、山口県の被害から始まり、15日からは東北に移り、秋田、青森両県に大被害をもたらした。その間、被災地に閣僚が足を運んだという話はきいたことがない。北九州、山口で被害が出ている最中、岸田はNATO理事会に出席するためリトワニアに。内政の失点を外交で補おうとしたのだろうが、肝心のゼレンスキイーとはまともに合えず、赤恥をさらしただけ。
 秋田大豪雨の最中でも、岸田内閣閣僚は一斉に外遊。岸田は中東へ。サウジの皇太子と原油安定供給と脱炭素で協議したというが、原油の供給と脱炭素とはそもそもが矛盾している。こんな馬鹿げたことをしておれば、世間から舐められるだけだ。河野はフインランドやエストニアへ。IT先進国の実情調査と称するが、人口500万の小国のやり方が、1.4億人の大国に通用するわけがない。両方とも、やることのピントがずれている。G7広島サミットでは、イタリアのペローニは、イタリア北部の洪水対策のため、首脳会議をキャンセルして、急遽帰国した。洪水で住民が途方に暮れているのをほったらかして、呑気に外遊を楽しむ日本の岸田内閣とは大違いだ。
 この呑気さ、危機感のなさ、鈍感力は果たして何処からきているのか?そういえば岸田内閣閣僚20名の内12名は、二世三世の世襲議員だ。これが最大の理由だろう。世襲議員の場合、本人は何もしなくても、細かいことはみんな親代々の家老たちがやってくれるから、次第に浮世離れしていくのである。
(23/07/17)

 マイナンバーカードトラブルで、日に日に低下するのが岸田内閣支持率と、河野太郎の人気。逆に高くなっているのが、政府に対する不信感。犯人が、河野太郎の無責任な放言にあることは言うまでもない。筆者は昔から河野太郎という人物を評価していない。理由は頭が悪いからである。なんであんなに頭が悪いのか、よく分からないが、育ちに原因があるのだろう。
 随分昔だが、彼はいきなり「日本も核武装出来る」と言い出した。日本には大量のウランは産出しないから、原発から出る使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを生産して核爆弾に転換しようというものだろう。ところが、プルトニウム爆弾で必須なのは核実験である。日本に核実験が出来るような場所はない。するとかれは「コンピューターでシミュレーションすればよい」という珍妙な理屈を持ち出した。
 ところがコンピューターシミュレーションをやろうとすれば、パラメーターが必要だ。そのパラメーターは核実験でしか得られない。無論同盟国であるアメリカは、これまでの膨大な核実験からパラメーターを大量に蓄積しているが、それは絶対に外には出さない。つまり河野太郎の言う核武装論は始めから成り立たないのである。そういうナンセンスを何の臆面もなく、マスコミに出す、ということが「頭が悪い」証拠なのである。
 その頭の悪さを露呈したのが、マイナンバーカードトラブルや返納に対する放言、沢山あるが中でも噴飯は「マイナンバーカードよりクレジットカードのほうが個人情報が詰まっている」という放言。この男、情報の意味を分かっていないらしい。
 クレジットカードの情報など大したものではない。しかも保有・使用は完全に自己責任。本人とクレジット会社の信頼だけで成り立つ。しかしマイナンバーカードの紐づけ先には健康保険や年金口座など、個人にとってデリケートな情報があり、クレジットカード等とは比較できない。しかもそれは国家と国民の信頼関係で成り立つ。しかも彼はカードのトラブル等僅かなものだと、切って捨てる。これはいいかえれば、河野自ら国家というものは信用できない、自己責任でやってくださいと云っているのに等しい。こんな人間がデジタル大臣をやっているのだから、日本人の個人情報は他国に筒抜けになるだろう。
 よく日本は欧米に比べデジタル化が遅れていると云われる。何故欧米でデジタル化が進んだか?それは彼らは頭が悪く、暗算特に引き算が出来ないからだ。カードでコンビニで買い物すれば精算機が勝手に清算してくれる。それだけの話だ。筆者の娘など、幼稚園に入る前から団地のマーケットの釣銭の勘定ができた。
(23/07/09)

 何かと評判の悪いマイナンバーカード。中でも来年秋に紙の健康保険証の廃止を閣議決定したことである。これを主導したのは、いうまでもなく河野太郎。慌てなくても健康保険証はいずれみんなカード化される。何故なら、今カードに反対するのは大体が高齢者。しかし彼らはいずれこの世から消えていく。そのころには子供が生まれると、その時点でカードが発行される。なにも慌てることはない。そこに期限を切ってしまったのが、混乱の始まり。
 では何故24年秋と期限を切ったのか?そのころには自民党総裁選がある。再選を目指す岸田。総裁ポストを狙う河野。この二人の一騎打ちになる可能性が高い。こういう場合、現職優位が常道だが、一発逆転を狙うには何かデッカイ花火が必要だ。そこで河野が目を付けたのが、マイナンバーカード普及100%という目玉。日本デジタル国家化への大きな一歩と宣伝できる。コイズミ郵政改革に匹敵する大改革だ!と。
 しかし策士策に溺れるの類で、今や四面楚歌。傍らで密かに笑っているのが岸田。今の状態、岸田にとって笑いが止まらんだろう。その証拠に、つい先ごろまで、岸田は現行保険証廃止と云っていたが、昨日いきなり廃止延長をほのめかす。それまで散々煽っておいて、形勢不利と見ると、途端に手のひらを反すいつもの手だ。河野にしてみれば、二階に挙がって梯子を外された・・・勝手に上がっただけだが・・・ようなもの。
 それにしても最近太郎と名がつく人間に禄なのがいない。河野太郎もそうだが、岸田の長男の祥太郎・・・不肖太郎と呼んだほうが良い・・・、少々ロートルだが、麻生太郎。これは偶然か?
(23/06/22)

 何かと悪評芬々のマイナンバーカード。特に来年秋から紙の健康保険証が使えなくなる、というのが問題になっている。これによって各医療機関には、カード読み取り装置(カードリーダー)の設置が義務付けられるが、これにも問題が感じられる。
 先ず最初は窓口での混乱だ。何事もアナログでやっていたものを一旦自動化すると、慣れなくて混乱する。しかしこんなものは一旦慣れると直ぐに収まる。電車の自動改札も、導入当初は混乱したが、直ぐに慣れてしまった。
 問題はそのカードリーダーが何処の誰が作るかだ。全てが国産であれば、マイナ制度は一つの景気刺激策になる。しかし国産は高い。目先の利益だけを考えて、韓国・台湾に生産を委託すれば、日本人の税金で韓国・台湾メーカーを儲けさせるだけだ。
 これと同じことをかつて小渕内閣の景気対策でやっている。バブル崩壊後の不景気対策として、小渕ー宮沢内閣が打ち出した政策は、かつての経済成長時代と同じ、公共事業を拡大しそれが社会全体に及ぶことを期待するという、古色蒼然たるものだった。その結果出てきたのが、ダム始め河川事業とか、道路造り。しかし全く景気に火が付かなかった。筆者もそれに関連する業務にタッチしたことはあるが、こんなこと幾らやっても駄目だ、とつくづく思ったのである。
 それは当たり前で、60年代高度成長期はセメントや鉄鋼等素材は全て国内で生産していた。だから素材産業の景気浮揚は関連産業におよんでいった。しかし、時代は1990年代。円高で、セメントや鉄鋼等素材殆どが海外生産、中でも中国・韓国製が大部分。儲けはみんな中国・韓国へ。要するに、日本人の税金で中国・韓国企業を儲けさせただけなのだ。これでは景気が上がる訳がない。
 今度のマイナンバーカードも同じ轍を踏むだろう。まして中国製が入ってくれば、日本人の健康情報から何から何まで、中国に筒抜けになる恐れがある。河野やデジタル庁他の官庁は、その点のセキュリテイーを考慮しているのか、甚だ怪しい。
(23/06/19)

 時事通信調査で岸田内閣支持率は、なんと35.1%に下落。朝日・毎日の調査ではない。時事通信といえば、どちらかというと保守系政府寄りメデイア。朝日・毎日・東京なら、もっと低い数字が出ても可笑しくない。果たして、これで岸田は解散を打てるか?
 と思っていたら、15日夕に、突然「今国会での解散なし」表明。理由は幾つかあって、政治記者は党内有力派閥の支持が得られないとか、今後の政治日程等を訳知り顔に解説するが、筆者は未だあると思う。
 それは(1)衆院10増10減制度下での最初の衆院選となるが、選挙区割りが上手くいかないこと、(2)それと公明との話し合いが上手くいかなかったことの2点が大きい。
 (1)問題は新山口3区である。旧山口4区の補欠選では、アベ後継者の吉田が僅差で当選した。さて今回の選挙区割りで、岸田執行部が新3区に公認するのは外相の林、吉田は比例に廻るというのが既定路線。これにノーを突きつけたのがアッキーこと安倍昭恵。吉田に対しそれ相応の対応を求める。また、新1区でもアベの甥に当たる岸信千代が補選で勝利したが、次点の立民候補都は「わずか5000数100票差。このように、肝心の自民金城湯池ですら、不協和音が起こっている。
 (2)も(1)に「関連する。東京14区の候補者選びで自公の亀裂が露呈した。これはなんとかトップ同士の話し合いでけりが付いたように見えるが、末端はそうではない。自民候補の中には公明の支援が無ければ落選の憂き目に合いそうなのが50数名はいる。
 公明党の選挙活動を支えるのは創価学会である。学会も幾つかの組織に分かれるが、中でも選挙活動の中心を担い、かつ執行部に影響力が大きいのが「婦人部」である。「婦人部」を構成するのは、巷の一般家庭で家計を支えるオバちゃん達である。彼女らが最も関心を示すのは、一にも二にも物価だ。昨年から始まった急激な物価高に対し岸田内閣はなんら有効な手を打てていない。それどころか防衛2法や子育て支援で増税案まで出てきている。なんで、こんな無能政党を手弁当で支えなけりゃならないのだ。こういう草の根意見には、いくら自民の男妾山口執行部も歯が立たない。
 一方、自民強硬派の中には公明はずしを公言するものまであらわれる。その理由は間今回の統一地方選で、公明のちからが衰え、維新の力が増した、だからこの際自公連立より自維連立のほうが有利に思えるからだ。今回の統一地方選で、公明はやっと現状維持、22年参院選比例票では前回に比べおおよそ300万票減らした。一般には、これを公明の実力低下と見るが、では減った公明票300万が何処へ行ったか。その大部分は維新に流れたのである。昨年参院選、今年統一地方選での維新の躍進は、むしろ公明票を食ったお陰といってよい。元々他人の票なのだから、根がない。そんな票など、風が変われば簡単に引きトンでしまう。
 ということで、公明党の支援もイマイチ宛てにならない。これでは解散どころではない。本音は解散したかったのだろうが、麻生や数編ヵら待ったがかかり、更に公明からも袖にされて諦めた、というのが実態だろう。
(23/06/16)

 何年か前にマレーシアで、日本人組織が主催する盆踊りが禁止されることになった。盆踊りには日本人だけでなく、現地のマレー人も大勢参加し、日本/マレーシア社会の友好親善に貢献してきた。禁止の理由はマレーシアの保守派イスラム教会が、盆踊りは非イスラム的宗教色・・・つまり仏教色・・・が強く、一般のイスラム教徒の心が不安になるから、というものだった。このように宗教原理主義の強い国では、国民が不安を覚えるという理由で、他の宗教の布教伝搬だけでなく、日常行事も規制又は排除される例は多い。
 何故こんなことを言うかというと、このほどスッタモンダの挙句、やっと衆院を通過する見通しの立った「LGBTQ理解促進法」にその種が仕組まれているからである。元々の野党原案は「LGBTQ差別の禁止」だったが、それが自公案では禁止の言葉が消え、「理解促進」に変わった。更に維新・国民の修正案では「全国民が安心できるように」となり、性同一性も「ジェンダーアイデンテテテイー」などと訳の分からぬカタカナ語に置き換わり、現実には現状から何も変わらない、只やりましただけの法案になってしまった。これに反対するのが立・共ら左翼リベラル派。
 一方で法案提出者の一つである自民党内にも、この法案に反対する勢力が」ある。それはアベ派を中心とする党内保守派。彼らはこの法律が通れば、なし崩し的に女帝、女系天皇を認めることになると反対。彼らのバックにあるのが「sン頭政治連盟」と統一教会。どっちも選挙のカギを握っているから、自民保守派は反対出来ない。つまりこの法案は、国民の左右両極から批判されているのである。
 そもそもLGBTQ法の主旨は同性婚を始め、社会各層にあるLGBTQ差別の撤廃が目的だった。典型的な例が自治体が婚姻届けの受理を拒否する事例である。婚姻届けの受理は自治体が行うが、仮に市民や議員の中にLGBTQ反対論者がいて、彼らがこの法案にある「全国民が安心できるよう」を盾に抵抗するケースは十分起こり得る。更にLGBTQ差別を更に強化する条例を作ることも、上の文言からは十分可能である。それは上にあげたマレーシアの盆踊り騒ぎと同根である。
 問題は法律前文の「国民全てが」などという曖昧な文言を付け加えたことである。そういう事態を如何に事前に防げるかを、この法律が担保しているかどうかである。21世紀にも拘わらず、2000年以上前の占いや呪いを信じているウルトラアナクロという点で、マレーシアで日本の盆踊り禁止を政府に要求したイスラム保守派と、日本の神道政治連盟はよく似ている。
(23/06/11)

 三國志演義で、諸葛孔明が最も期待していた若手の馬謖が、命令に反して独自行動をやって敗北したため、泣いて馬謖を斬った話は有名である。これは英傑が如何に公私の別をわきまえ、軍律の前に私情を挟まない一例として常にあげられる。日本人は中国人並みかそれ以上に三國志が好きだから、一定年齢以上の日本人で、この話を知らないものはないだろう。当然日本国首相である、岸田文雄も知らないはずはない。
 一方馬鹿な息子ほど可愛い、という言葉もある。馬鹿な息子とは誰か?いうまでもなく岸田の長男にして内閣首相補佐官である岸田祥太郎のことだ。彼が昨年末首相公邸で仲間とやらかした馬鹿騒ぎに関して、父親にして総理大臣である岸田文雄は、世間の批判にも拘わらず更迭もせず厳重注意に終わらせた。鈍感力極まれり、というところだ。
 ではなぜこんな鈍感力が発揮出来るのか?この問題は1)ことを起こした張本人の岸田祥太郎の問題。2)それを事実上不問にした岸田文雄の問題、の二つに分けて考えるべきである。
1)事件の中心である祥太郎は、詳しい経歴は差し置くが、大学卒業後、三井物産に就職。その後、父親の秘書を経由して父の首相就任とともに、官邸補佐官に就任。21年、現在31才。父の外遊に同行して、パリで公用車を乗り回し遊び惚けていた話は有名。そこにこの公邸忘年会騒ぎ。やっていることも「へずまりゅう」のような迷惑系ネットユーザーと大差はない。
 31才という年齢は所謂Z世代(筆者の分類では団塊三世)の始まり。祖父の団塊世代がアンチ既成価値で何でもやっていい、と勘違いしてしまった。その勘違いDNAが子供の団塊二世に受け継がれると、N党の立花やガーシーのような無法者が現れる。この世代から共通一次テストが始まった。親父の世代は未だ大学改革とか社会改革といった理念があったが、二世世代にはそれが全くない。これも共通一次の結果である。単に親に立てつくだけだ。そして息子の孫となると、それすらもない。
 筆者が社会人になった1960~70年代で30代というのは、当に社会の中堅、バックボーンだった。当時の日本の高度成長を支えたのがこの世代である。それに比べると、今の30代は当時の20代、大学出たてのガキ相当だ。尤も当時の20代は30代の先輩の背中を見て、こいつらを追い越してやろうと腕を磨いた。しかし今はそうではない。それは公開された総理公邸での写真を見れば分かる。とてもじゃないが、大人とはいえない、コトナである。
2)息子の不祥事に対し何もせず、ひたすらかばうだけの情けない駄目親父を演じたのが、岸田文雄である。彼は1957年生まれの66才。父の世代は90代で、戦中は中学生位。滅私奉公、忠君愛国思想を叩きこまれ、戦後はアメリカ流民主主義教育を受けた。戦後焼け跡闇市派でもある。
 一方で、戦後復興、高度成長の中心を担った世代でもある。元祖モーレツサラリーマン、元祖団地族、元祖お茶の間民主主義族。そして最初にテレビ文化に接触した世代でもある。この当時流行ったのが、アメリカ式ホームドラマ。お父さんたちはアメリカサラリーマンの真似をして、物わかりの良いパパを演じなければならなかった。なんとも中途半端な世代なのだ。
 その子が岸田文雄の世代。親から甘やかされて育ったから人柄も協調性もよい。会社でも波風立てず仕事も几帳面。しかしただ上についてゆくだけで面白みに欠ける。岸田のアベに対する接し方を見ればよく分かる。要するに自分で決断することを避けるのだ。しかし一方で、他人が見ていないところでは結構自分勝手なこともやる。しかし自分で責任を取るようなことはしない。その子が祥太郎である。岸田はことが週刊誌に出てから、祥太郎を厳重注意したというが、本当かどうかわからない。本来なら公邸でやってよいことと、悪いことの区別は先に教えておくべきだし、祥太郎も31になっているのだから、そんなことは教えられなくとも判るはずだ。そもそもが人間の基本ができていない。その原因は文雄の父親世代にあるのかもしれない。なんとなく「親の因果が子に報い」という言葉を思い出す。「あの親にしてこの子あり」か。なおこの手の騒ぎを起こすのは、何も世代的特徴だけでなく、本人の血液型にも関係する。
(23/05/27)

 広島G7でゼレンスキーがブラジルのルラとの会談をすっぽかしたのが話題になっていますが、理由は敢えて説明するまでもないでしょう。G7は以前に比べて力が衰えた、とよく言われます。その引き合いに出されるのが、世界のGDPに於けるG7の比率。2018年には63%を占めていたのが、22年には43%まで低下した。
 しかしたった7カ国で40数%を占めるということは、決して小さい数字ではない。逆に云うと他の100数10カ国はこの7カ国抜きではやっていけないということだ。事実中国の最大の貿易相手国はアメリカで、次に日本、ドイツが並ぶ。ロシアやインドなど目じゃない。一帯一路の主要先はヨーロッパだ。地球温暖化で北極海ルートが有望視されると、途端にこれに目を付けたのが中国。北極海ルートの行く先は、飽くまでヨーロッパでグローバルサウスではない。
 つまり中国は表向きは、グローバルサウス途上国重視ポーズを採るが、本音はカネになる先進国取り込みが目的なのである。アフリカ、中南米への投資を積極的に進めているが、これも狙いはこれら諸国を債務の罠で囲い込むこと。ブラジルのような新興国は外交経験に乏しいから、簡単に中国の手練手管に取り込められてしまう。
 しかし、中国経済の先行きは甘いものではない。先ず一つは人口減少にともなう高齢化問題。次に地方政府を中心とした、国内隠れ債務問題。更に分不相応ともいえる巨大な軍事力とそれを支える軍事予算。それを考えれば、途上国にとって、中国は頼りになる兄貴と云えるだろうか?G7のほうがまだましだった、てな時代が来るかもしれない。
(23/05/22)

 岸田を襲撃した木村隆一の背景が、次第に分かってきたようです。現行選挙制度の違憲性に対する訴状から、彼が強い反アベ派だったことが分かります。何故反アベになったかというと、アベノミクスとか、ロシア寄り政策とかといった、実務的な問題より、現行の政治制度の矛盾への怒りがあって、その理不尽さの象徴が政治家の世襲制にあることへの怒りが先に来ているということだ。
 世襲と云えば、最近で話題になったのは、昨年岸田が長男の祥太郎を総理秘書官に任命したこと、そして衆院山口4区補選に立候補した岸信千代があげられる。岸田祥太郎の場合、父の外遊に際し、本来の目的を外れて観光旅行をやったり、現地の政治家と2ショット写真を取ったりしたのがばれて、世間の顰蹙を買った。岸信千代は補選立候補直後にHPに家系図を出して、自慢したりして、これまたバッシングを受けた。
 岸田祥太郎世襲が問題になったとき、テレビで元議員の金子恵美という不倫婆あとか、評論家の田崎史郎とかが、「世襲のほうがいろんなことを知っているから便利なんですよ」などと、世襲擁護論をぶっていた。他にもそう思っている人間はいるに違いない。では、こういう人達に、「あんたがたは明治維新を否定するのか」と、聞いてみたい。
 そもそも明治維新の本質とは何か?大概の人は、やれ日本の近代化の始まりだとか、富国強兵だとか、見かけのことばかり云うが、では何故それが可能になったかを見ていない。その本質は1)身分制とその世襲制の否定、2)廃藩置県である。
 維新前の身分制度は、徳川幕府によって作られたもので、日本の伝統でも何でもない。江戸時代身分制とは、基本的には職業、土地・財産権利・義務等封建特権の世襲である。身分制により社会を縦に、幕藩体制により社会を横に分断することにより、幕府による統治を効率化することが目的だった。このシステムは幕府成立間もないころの戦国乱世の気風が残っていた三代家光のころまでは、社会の治安を安定化させること、その後の安定期にも効果的だった。
 しかしペリー来航で、日本が嫌でも欧米と接触しなくなるようになると、逆効果が出始める。身分制と幕藩体制は、社会構造の流動性、ヒト・モノ・、カネの流通を阻害する。その結果、情報は偏ったものとなり、社会は硬直し、より流動的な欧米とは国力の点で圧倒的な差が出来てしまった。
 これを最初に改めようとしたのが、実は幕府の改革派官僚達だった。しかし彼らも封建身分制のぬるま湯に漬かっていたから、改革は中途半端にならざるを得ない。では彼らに対抗した薩長土肥らの尊王攘夷派が改革的だったかというと逆である。彼らは開国を始めとする幕府の改革によって、自らの封建特権が脅かされるのを恐れ、逆に封建制の維持を主張したのである。彼等こそが守旧派だったのだ。
 明治維新で攘夷派が天下を取ったが、直ぐに身分制、藩制がなくなったわけではない。制度上はなお10数年を要した。制度上なくなっても、人々がそれを素直に受け入れたわけでもない。その証拠に維新後各地で士族の反乱が起こっている。
 このように現代社会で世襲制が否定されるようになるまでには、大変な犠牲と混乱が必要だったのである。もし金子や田崎、岸田や岸のように、ただ行政にとって便利だから、選挙で票が取れるから、という理由で世襲制を認めてしまえば、日本は再び封建制度の泥沼に戻ってしまうだろう。そして、かつてペリーの大砲に脅えたように、将来もどこかの国の脅しにペコペコせざるを得ないようになる。
 もしそれが嫌なら、明治維新の理念、つまり”身分制(権力の世襲制)、幕藩体制の否定”を守ることである。そしてそれは政治家自らが実践しなくてはならない。岸田や岸信千代がやっている行為は、当に”明治維新の否定”そのものなのである。別に否定しても構わないが、それならそれで”私は明治維新を否定します”と明言すべきだろう。
 なお、一部野党や識者から、山上、木村の裁判で、事件原因の本質を明らかにする必要がある、という意見が出ると、早速自民党の一部からそんなものは必要ではない、事件の外形だけみればよい、と反発。何故事件の本質を探ることに反対なのか?なにか本当のことがわかると困ったことでもあるのか、など余計な勘ぐりをしたくなる。裁判であまり細かいところをつつかれると、自分にとって都合が悪いことが出るからだろう。このように、問題が起きても事の本質は無視して、臭いものには蓋をして誤魔化し、みんなが忘れるのを待つのが、この党のいつものやり方。そんなことに甘えていたから、知らない間に足元を維新に食われていくのだ。
(23/04/20)

 和歌山での岸田襲撃事件。メデイアはこれを爆発物によるテロと報道しているが、写真を見ても映像を見ても、煙はあがっているが爆発など起こっていない。又何か金属製の円筒が転がっていて、これを爆発物としている。
 本当かあ?というのが筆者の疑念。凶器とされた円筒は、遭難発信用の発煙筒ではないか?、という疑問。船舶なら必需品だ。登山でも使うことはある。爆発音がしたというが、”爆発した”と”爆発音がした”だけとでは、意味は天地ほど異なる。筆者の云うように、只の発煙筒なら、殺人とか殺人未遂罪は適用されず、只の威力業務妨害で終わりだ。
 なお岸田文雄などのような、居てもいなくてもどうでもよいような人間が襲われたところで、どうってことはない。彼の国会答弁など、それこそChatGPTのほうがマシなぐらいだ。
(23/04/16)

 アベに次いで岸田。いずれも現首相又は元首相への襲撃事件。ということは次は菅か?この男も結構脛に傷持つ身。菅の場合は、宗教やイデオロギーより、組関係か。ではこういうテロ行為の原因は何か?大きくは
1、報復、脅迫
2、騒乱醸成
3、抗議
4、怨恨
5、模倣
6、ヤラセ
 などがある。さて今回はそのどれだったのでしょうか?、 
(23/04/15)

 
 岸田がウクライナに持って行った土産が、広島名物「必勝しゃもじ」。これは夏の高校野球でも、広島県勢応援席には必ず出てくる必須アイテム。別に大したものではない。しかし広島が岸田の選挙区となると、心穏やかではない人も出てくる。つまり外交に名を借りた選挙運動ではないか、公務の私的利用ではないか、という具合だ。政治家なら、そんなことは当然事前に予測しておかねばならない。そうならもっと違ったやり方がったはずだ。とにかく岸田とその周辺の外交・政治センスのなさにはあきれ果てる。 
 又「”必勝”という言葉は戦争継続を意味する、重要なことは平和だ」、と相変わらずの平和至上主義を叫ぶアホも多い。今回岸田はどういう資格でキーウに行ったかというと、それは単なる日本国首相ではなく、G7議長国として、G7の一員として訪問したのである。Q7のスタンスは明確にウクライナ支持で、これまでの各国首脳のウクライナ訪問目的も、ウクライナに対する支援の保証と励ましである。岸田もその例外であってはならない。
 通常侵略する国と侵略される国があれば、無条件の和平は侵略国にとって勝利であり、被侵略国にとって敗北である。上に挙げた平和主義者や鈴木宗男や橋下徹のような親ロ派がロシアに行って「平和」を叫ぶなら、それはロシアに歓迎されるだろう。しかし逆にウクライナでこれをやれば、下手すればロシアの第5列として逮捕される恐れがある。今最も戦意が高いのがウクライナ人である。内容空疎な見せかけ平和論が、当地に通用するわけがない。
 真の平和とは、状況を侵略以前の状態に戻し、賠償も含め侵略国に二度と侵略をさせない歯止めを完成させることである。それでもその約束を破る奴は出てくる。ベルギーはナポレオン戦争の後のウイーン会議で中立を保証されたが、100年後第一次大戦で、ドイツによりあっさり破られた。その後のベルサイユ条約でも中立は保証されたが、たった20年後にやっぱりドイツによって破られた。ドイツ人も危険だが、ロシア人は更に危険である。現在、ベルギーは中立政策はやめ、NATOの一員として、ウクライナ軍事支援を行っている。
 岸田がゼレンスキーに送った「しゃもじ」が外交儀礼として適切であったか・・・もっとマシなものがあったのではなかろうか・・・、筆者も大変疑問に思うが、日本がウクライナの対ロシア戦を支持する立場を変えてはならず、疑問をもたれるようなことをしてもならない。もし西側の結束が乱れ、例えばウクライナ全土或いは半分でも、ロシアに占領されるようなことがあれば、そこには巨大なアウシュヴィッツが誕生するだろう。18世紀以降、ロシアが周辺諸国に対しやってきたことを考えれば、明らかである。現代人は歴史に責任をもたなければならない。
(23/03/24)

 まさかまさかの岸田キーウ訪問。習近平訪ロに合わせてのキーウ訪問は、ロシアだけでなく中国に対しても一定のインパクトを与えたことになる。岸田キーウ訪問の目的は大きく次の三つが考えられる。
1、G7各国の中でキーウ訪問が果たせなかったのは日本だけ、という批判を払拭できる。
2、危険地を訪問することによって支持率アップが狙える。あわよくば4月の統一地方選への追い風を作れる。その結果いかんで、一気に解散総選挙、長期政権を。
3、戦後のウクライナ支援事業に優先権が得られる。少なくとも中国への先手は打てた。
 どれも目的は国内向け、党利党略ではないか、と意地の悪い評論家は批判するだろう。その程度は覚悟のうえでやらなきゃ、政治家とは言えない。本当の効果はこれからだ。それより岸田がとんでもないことを約束させられないことを望む。ゼレンスキーはこの一年で、岸田以上の様々な外交駆け引きを学んでいる。
(23/03/21)

 「捏造」か「真実」か。連日国会で責め立てられる高市早苗。何故こうなったかというと、彼女自身無派閥で、自民党入りする前も小沢自由党にいたりと腰が定まらない。永田町的には信用できない浮気女と見られてきた。その支えとなっていたのがアベ晋三だが、彼がいなくなったため、党内に彼女を助けようという気運が全く出てこない。岸田にとっても高市は保守派に対するサービスに過ぎず、ポストも経済安保担当とか宇宙開発担当とか盲腸ポスト。どうなっても構わないのが本音。全てを自分で処理しなくてはならない、当に永田町残酷物語だ。
 さて問題は高市個人の問題ではなく、自民党、中でも保守派とメデイア中でも芸能界との関係なのである。タレントの中居正弘が昨年のアベ国葬に参列し「アベさんアリガト^ー」と云ったというニュースがあった。別に誰が何処へ行こうと構わないのだが、彼が属するジャニーズ事務所というのはれっきとしたアベ系・・・というか岸系・・・会社。
 昭和30年代後半から40年代前半にかけての日本は左翼が強く、芸能界も例外ではなかった。これに危機感を抱いた当時の自民党保守派・・・そのドンは岸信介・・・は、左翼に対抗するため右翼の結集を諮り、その受け皿として「日本会議」なる団体を設立した。その文化芸能セクターに集まったのが、石原慎太郎、福田恒存、黛敏郎、戸倉俊一、浅利慶太ら。そしてその中にアメリカから帰ってきたばかりのジャニー喜多川がいたのだ。そしてこれと同時並行的に、宗教思想界を使った反共運動として「世界統一教会」と自民党保守派との提携が深まった。つまり岸ーアベ家は統一教会だけでなく、芸能界にもジャニーズ事務所を通じて密接な関係があったのである。
 芸能界と密接な関係があるのがメデイア、中でもテレビ業界。”ニッポンを取り戻したい”アベ晋三がテレビ界でのアンチアベ番組に目を付けないはずがない。そこで目をつけられたのが、TBSの「サンモニ」、テレ朝の「報道ステーション」「」、NHKの「クローズアップ現代」。NHKは会長人事でけりをつけたが、他は民間企業だから人事には手を出せない。そこで目を付けたのが電波法の解釈。
 問題の総務省文書で、官邸から総務省に圧力をかけたのが首相補佐官の磯崎。彼は官僚から2006年総選挙で自民党から立候補、政界デビュー。つまりコイズミチルドレンである。しかし09年総選挙では落選。浪人暮らしの末12年総選挙では、今度はアベチルドレンとして再デビュー。14年にも総選挙があったから、彼は当選たった三回で首相補佐官という顕職に上り詰めた。さぞかし得意満面だったろう。
 しかし文書文面から見ると、彼の総務省に対する尊大さは、当選三回の限度を越えている。やっぱり彼は自分の背後に総理がいるということを意識していたのだろう。つまりアベ家とメデイア業界との深い繋がりだ。ということは、この関係に統一教会が介在していたとしても、不思議ではないのである。
 なお78ページもの文書全部を捏造するなんて、物理的にも、とても出来るものではない。何処かに他の事実との矛盾点が出てくる。問題個所以外に事実との矛盾が無ければ、文書は捏造とは言えない。まして高市関連の4ページだけ捏造というのも、論理的に無理がある。高市はこの点を論証しなくてはならない。また、ネトウヨの中には、公文書と行政文書の違いが分からないものがいる様だ。そういう連中は黙っておいたほうが良い。
(23/03/09)

 アベ政権下での放送法解釈変更に関し、立民小西が政府関与の証拠として出した文書。自民・官邸はこれは実物かどうか疑わしい、とか捏造だとかいっていたが、本日松本総務大臣がこれを政府文書と確認したと表明。つまり小西文書は捏造ではなかったのだ。
 そのころNHK会長人選や一部報道番組の組み換えなどを巡り、NHKを取り巻く環境はきな臭かった。当時の総務大臣はこの文書を偽物と決めつけた高市早苗。これは当時「一つの番組でも公正でなければ全体に及ぶ」とか「電波停止もあり得る」とか、盛んにNHKに脅しをかけていた。今度は自分が脅しを懸けられる番か。
 ではこの高市の対マスコミ強硬姿勢は何処から来るものか?この女は元々の自民ではなく、新進党や自由党を渡り歩いて、コイズミ郵政選挙で自民入り。その後アベのお気に入りtなって第二次アベ政権でとんとん拍子に出世。次の総理を伺うまでになった。アベとしては、稲田朋美と競わせるつもりだったのだろう。この辺りから急速に右旋回。日本会議や神政連と深いつながりを持つようになった。
 LGBTや夫婦別姓論に関する意見を見ても、そのスタンスはよくわかる。上記の放送法解釈高市発言の意図は何か?アベ晋三へのラブレター、或いはライバル稲田朋美への牽制か?そういえば稲田は保守には珍しくLGBT法案には積極的で、この点ではこの法案に反対する高市とはスタンスが真逆だ。それともう一つ、高市の陰に見え隠れする統一教会の陰だ。LGBTにしろ何にしろ、この両者の波長は妙にあいすぎる。 
(23/03/07)

 外相の林が国会を理由にG20外相会議出席を見送り。これは林の意志というより、むしろ岸田の意向ではあるまいか。今後国会が続けば当然安保問題、つまり台湾を始めとする極東有事問題に国会審議が移る。ここでやはり問題になるのは、昨年岸田が唐突に言い出した防衛費対GDP比2%の根拠、トマホーク400発の発注根拠等々、突っ込みどころ満載。これはワシ一人じゃ賄えんから、林にも手伝ってもらおうというところだろう。
 しかしG20諸国にとっては、そんなことはどうでもよい。そして対ロシア政策特に資源のサプライチェーンの安定などG20諸国の団結、協力が不可欠なテーマも多い。そんな重要会議に重要国である日本が欠席するなど、G20諸国、中でも議長国であるインドに対する侮辱と受け取られかねない。 このように今の岸田内閣はとにかく危機意識が薄弱である。最近でも、北朝鮮がICBM級の「火星15」を発射したとき、どうでもよい鼻のちっぽけな手術で40分間留守にした。国家、国民を守る意志が全く見えない。
 これは本人の認識が愚かであるだけでなく、彼を補佐する官房長官の松野、自民幹事長の茂木、その他内閣秘書官や首相秘書官連中が、揃いも揃って無能ボンクラぞろいだからだ。首相秘書官といえば、息子の祥太郎。あれは北朝鮮がミサイルを発射したときどうしたのだろう。其のうち何処かの週刊誌が行状をばらまくだろう。野党がこれをやらなけりゃならないのだが、どの野党もその能力がない。これが今の日本政治の最大の問題だ。
(23/03/01)

 岸田の息子がヨーロッパに外遊して、公私混同だ、と野党やマスコミから袋叩き。何をやったかというと、、1、名所・観光地巡り、2、要人との2ショット撮影、3、土産物買い、の3点セット。このセットはズーッと昔から続いていて何も変わらない。
 この習慣、いつ頃から始まったかというと昭和30年代後半から。戦後は日本も貧乏だったから、そもそも議員の外遊などあり得なかった。昭和30年代後半の高度成長期に入って始まったのである。外国旅行の先鞭をつけたのは芸能人や民間観光客、いわゆるノーキョーである。彼らの定型が上の3点セット。但し一般人の場合は要人とのツーショットはないから、仲間同士の集合写真となる。これ江戸時代の御伊勢参りと同じパターンなのfだ。
 時代は移り、民間人では古い3点セットはダサイということで姿を消したが、政治家の中でだけ相も変わらず「昭和の置き土産」として残っている。何故か甚だ不思議だが、要するに古いものを改めようという気が全くない、ということが根底にある。もう一つ大使館など在外官僚にとって、議員の接待を上手くやれば議員に顔も名前も覚えられ、後々の出世に有利という打算・役人根性が働いて、なかなか止められないというのがあるに違いない。無理を要求する議員にも、それを受ける役人にも、それぞれの思惑があるから、やっぱり止められない。あの中身のない岸田には、この因習は絶対に止められない。
(23/01/31)

 秋田の禿ネズミ菅義偉が「今の岸田政権には国民の声が届いていない」と、外部から揺さぶりをかける。それは安保三文書の変更と防衛予算増額に対する増税案で、岸田の力はこれまでと見切りをつけ、次の政権を巡ってキングメーカーの地位を狙っているからだろう。
 菅が「国民の声が届いていない」などと、どの面下げていうのか、といいたい。こ奴こそ、記者会見では質問があっても「懸念には及ばない」とか「ご質問には当たらない」とか回答拒否くの常習犯。しかも質問者は読売や産経に限定し、朝日・毎日・東京はスルー。菅こそ国民の声を常にシャットアウトし、無視し続けてきた張本人だ。アベに尻尾振るしか能がなかったから、就任一年で惨めに退陣せざるを得なかったのだ。
 菅の狙いは年内にも予想される解散総選挙。今のところ有力なのは内閣改造明け、10月解散年末総選挙だが、これから予定される4補欠選挙と統一地方選の結果によっては、もっと早まる可能性が高い。果たしてこれに岸田が勝てるか。この結果で党内キャステイングボートを確立すること。
 かといって清和会=アバ派と結ぶことはない。何故なら、清話会との関係は、アベがあってからこそであって元々水は合わない。おまけに今度の選挙で清和会分裂の可能性が高い。そこまでいかなくても、清和会という巨大派閥と手を結べば、そこに呑み込まれるだけだ。というわけで大派閥とは距離を置き、河野、コイズミ、甘利と組んで神奈川連合を作り、更にこれを関東連合に拡大して、政局のカギを握る腹ではあるまいか? 但しこの中で最大のリスクは甘利。今回の選挙制度改革で、次の総選挙で勝てる見込みはなくなった。NHK大河ドラマではないが、天下を臨んで「どうする義偉」といった心境か。
 しかしネズミは所詮ネズミでしかあり得ない。永田町のゴミを漁って生きるしかないのだ。
(23/01/16)

 新春恒例の首相伊勢神宮参拝。岸田到着40分前に突然の爆竹。これにはアンテナが仕掛けられていたとあって、単なるいたずらではなく、テロ又は脅迫に似たケースが考えられる。現・元を問わず首相を狙ったテロといえば、思い出すのは昨年のアベ銃撃事件。さてはこれに影響された愉快犯か、はたまた岸田を狙った脅迫か?では誰が脅迫するのか?事件があった日は、文科省が「統一教会に対する二回目の質問書公布日。ひょっとすると、これを牽制するため、統一教会が仕掛けたものか?
 さてその岸田だが、つい最近ウクライナからキーウ訪問の招請状が届いた。例によって即答はせず、「検討中」で逃げる。G7各国で首脳又は首脳級がウクライナを訪問していないのは、日本とイタリア位ではないか。日本は今年のG7サミット議長国。他国とは重みが違う。日本のウクライナ支援が本気かどうか、試しているようにも見える。そうだとしたら鈴木宗男などは、ますますカリカリくるだろう。
 更にその鈴木宗男だが、今回の岸田キーウ訪問招請について、「狂気じみたゼレンスキー」と非難し、岸田のウクライナ訪問が対ロシア関係にどんな悪影響を与えるか、例を挙げて反対している。やれ日ロ関係が悪化する、北方領土が戻ってこなくなる、小麦や肥料が入ってこなくなる、中でも日本にとって死活問題の原油・ガスが入ってこなくなる等々。他にもあったが大したものはない。そしてこれらとウクライナとどちらが重要か、と主張する。当に俗物を絵にかいたような人間だ。
 鈴木があげた事柄は、鈴木にとって重要かもしれないが、いずれも代替が可能か、なくても構わないものばかりだ。貿易量でいえば、日本にとって中国のほうが遥かに重要である。対中国貿易量は20%を占めるが、対ロ貿易量は2%にも満たない。北方領土は戻ってこなくても日本の独立と経済には影響しない。
 それよりウクライナがロシアによって完全制覇されれば、ロシアはそれを既成事実とし、西欧型民主主義に対するアジア型独裁主義の勝利を宣言するだろう。国際問題は二国間対等協議ではなく、強い方の言い分が一方的に通用する世の中になる。つまり弱肉強食の世界の到来である。
 当たり前だがロシアは北方領土問題には全く応じてこなくなる。それどころか、ヤルタ密約を根拠に北海道の領有を主張してくる可能性さえある。つまりウクライナ防衛は日本の防衛に直結するのである。鈴木宗男他の親ロ派達は、その点を全く理解できず、それこそロシアは善意の隣国と勘違いしている。果たして岸田の認識やいかに。
(23/01/08)


 かつてアベ政権が好きだったのが〇〇審議会、今岸田が好きなのが××有識者会議。最近では「防衛費負担に関する「有識者会議」というのがあった。また「国葬に関する有識者会議」というのがあった。実態はどうかというと、前者については有識者に選ばれた中西寛によれば「全体で4回、それぞれ一人ずつ意見を述べるが、最初は一人4分、2回目は2分・・・最後は1分、それだけ」らしい。
 これではとてもじゃないが会議とは言えない、ただの意見陳述にすらならない。政治家と役人のアリバイ作りだ。つまりカブキである。よくこんな馬鹿げた茶番に付き合うなあと感心。こんな安物の茶番で防衛費倍増という重大事が決定されるのだから世も末だ。後者に至っては各分野から50人の候補者を選び、参加を打診したが、集まったのはたったの21人。予定の半分にもならない。
 さてこの21人の安物有識者会議で何が語られたか?問題点として挙げられたのは、説明が足りないとか、決定が拙速であるとかこれまでメデイアなどで取り上げられてきた者ばかりで新味はない。又肯定的意見としてあげられたのが、「国葬にすることによって言論がテロに屈しないことを内外に示せた」というのが多い。何を見ているのかね、といいたい。こんなバカげたことを言うのが、今の日本の”有識者”なのである。
 アベ銃撃事件はたまたま対象が政治家だっただけで、その性格は個人的な復讐に過ぎず、昭和初期に起こった政治テロとは全く性質が異なる。それは事件後明らかになった彼の供述からもあきらかである。それを何故言論テロに結び付けたがるのか?又やっと奈良地検は山上を起訴したが、事件発生後6カ月も経っている。何故ここまで起訴を引き延ばしたのか?
 言論テロに結びつけるのは、国葬発表後下がり続ける岸田政権支持率に対抗して、国葬を正当化するためである。山上起訴を引き延ばしたのは、一つはその間に世間の関心が薄れるのを待つ作戦。要するに国会対策である。国会会期中に公判が行われ、そこから自民党に不利な陳述が出てくるのを避けるためだろう。山上起訴と国葬有識者会議報告書発表、それと国会閉幕がタイミング的にほぼ一致しているのがその証拠。
 そして肝心の岸田は折からの大雪で、東日本を中心に被害続出、また海外ではウクライナがロシアによる攻撃にさらされ、クリスマスどころではないのにも拘わらず、何処かの高級料亭で最高級海鮮料理に舌鼓をうって「やっぱり本物は違うねえ」とノーテンキなんだから、これまた世も末だ。
(22/12/25)

 岸田内閣支持率、遂に25%(毎日新聞)。読売、産経でも30%台半ばだから、支持率低下は本物。その原因は殆ど中身の議論もないまま決まった安保3文書の改訂。即ち、①敵基地反撃能力の保有、②防衛予算の倍増、③それを担保する増税案。普通なら誰でもこの順番に議論が進んでいったと思うだろう。ところが実態はそうではなく、逆に進んだ疑いがある。そしてそれを主導したのが財務省。まず予算ありき、次にその財源をどうするか?税金で行くか、国債で行くか? 断固税金で押し通したのが財務省。省益あって国益なし。
 対する防衛省もだらしがない。というより将来への展望が感じられないのが43兆円防衛予算の行方。既にアメリカからポンコツ兵器を高値で買わされるんだろうという批判があちこちから出ている。この予算で一番喜んだのがアメリカのバイデンだ、というがその証拠。何時までこんな馬鹿騒ぎをやているのか?
 一番駄目なのが自民党国防部会の小野寺。この男善人なのだろうが、欠点は頭が悪いことだ。軍事というものは純粋にテクノロジーの問題である。テクノロジーというものはモノづくりの体系である。モノには単品(部品)(完成品)と複合品がある。軍事の体系は部品を複雑に結びつけた完成品に例えることができる。部品相互を繋ぐのがネジとかボルトとかいう接続要素で、これは論理要素と云える。例えば情報分野に於けるAND回路やOR回路のような論理回路もこれに相当する。これらの接続要素は極めて厳密なもので、ミスが生じてはならない。
 敵基地反撃能力を起動させる条件に関する小野寺の解説を聞くと、しばしば出てくるのが「他に選択肢がない」とか「ギリギリの状態」とか、なんというか具体性のない情緒的な言葉が多い。或いは「ミサイルに燃料が注入されていることが確認されたとき」というような非現実的な状態まで想定している。今時液体燃料を使うミサイルなど存在しないし、第一それをどうやって確認するのか、出来ないことをできるといっているのである。出来ないことを出来ると言い張るのは、詐欺師かカルトかアベノミクス位だ。
 このような中途半端且つ曖昧な話の中で出てきたのがトマホーク。自民党防衛族の頭は20世紀で止まっている。今や21世紀だ。何時までもニュートン流古典力学の世界に留まってはいけない。筆者なら防衛予算の内1兆円を使って大出力レーザーガンの開発、更に10兆円を使って、列島の日本海沿いにレーザーガン基地を配備する。或いはミラー衛星を打ち上げて、地上からレーザーを射出し、ミラーで反射させて敵基地を破壊するてな方法を考える。更に専用の量子コンピューター開発に10兆円位。そうすれば43兆円の防衛予算など半分以下で済む。
 つまり列島全体を大出力レーザーガンの高密度三次元配置で覆ってしまう。これが完成すると相手は手出しできなくなる。
(22/12/19)

 いきなりの防衛費1兆円増税に続いて「国防衛は民の責任で」と、責任を国民におっ被せる無責任論。これについて与野党どころか、ネット・マスコミに溢れるのは岸田批判。内閣支持率は確実に10ポイント以上は下がる。
 それにも構わずひたすら増税に奔る理由は何か?それは「見栄」である。今年夏、日本はNATO拡大理事会に始めて域外からオブザーヴァーとして参加した。そこで目にしたのは、各国の防衛予算の拡大。ショルツあたりから「これに引換え日本は」てな皮肉を囁かれたのではあるまいか。おまけにNATO理事会に招かれたことで、俺も大物だと舞い上がり、いきなり安保モードに入った。
 さて、来年、日本はG7議長国。7月には広島サミットがある。ここで何か各国を感心させる目玉が欲しい。それが防衛費対GDP2%枠である。日本もこれだけ努力してますよ、と各国に対し云いたいわけだ。それがいきなりの1兆円増税に繋がるのである。
 何かある目標を示されると、そこまでのプロセスを無視してそれを結論にしてしまう。そして自分の意志を上手く伝えられない。これは決定的にボキャブラリー不足が原因である。聞いてばっかりで、本を読んだり文章を書いたりした経験が乏しいのだろう。これは岸田だけでなく、最近の政治家に共通している。その最たるものが、アベと菅だ。アベは国会答弁で大声を張り上げて、あれこれ言うが中身は何もないごはん論法の塊。菅は記者会見で何か都合の悪い質問があると、無視か問題なしの一遍同。どっちもボキャブラリーが足りないのである。
 そしてこのプロセスはアベ国葬とそっくりだ。これは最早、癖というか病気だ。民間会社でこんなのがボスだとすると、その会社は混乱だらけ。社員は何を信じて仕事をやっていいのかわからなくなるし、顧客の信頼も薄れる。結局売り上げが落ちて倒産だ
(22/12/15)

 「頑固な小心者」、というのが筆者の日本国首相岸田文雄への評価である。先日あるテレビ番組で、ゲストの新聞記者が云うのに「複数の政治家に聞いたところ、共通点として挙げたのが『岸田首相というのはああ見えて結構頑固だ』という評価」。
 何かある問題があると、周辺あちこちに意見を聞いて回る(聞く力)。しかしその時には自分で結論を出しており、これを曲げることはない。確かにそういう傾向はありそうだ。その典型がアベ国葬問題。アベ殺害事件が起こって6日目に自ら国葬を言い出した。ことの真相は未だよくわからず、麻生から「国葬でなきゃ」といわれたとか、自らが言い出したことだ、とか諸説ある。
 よく言われる理由が、国葬で自民保守派特にアベ派の支持をとりつけ、国会運営をスムースにするとか、海外から賓客を招いて一気に支持率を上げるためとかである。ところがその後の展開を見ると、国葬の所為で支持率は上がるどころか下がる一方。もし麻生や党内保守派からの要求とすれば、むしろ国葬案を取り下げ内閣葬とか何かにして、責任を麻生らに持っていくのが常道。それをせずに最期まで国葬でつっぱしったのは、やっぱり岸田本人の判断、というより思い込みである。この思い込みを修正できないのは「頑固」だという証明である。
 小心者というのは、自分で何かを決めなければならないが、それを自分では言い出せず、誰かを頼りにする。例えば政権取りでも、自分で取りに行かず最期までアベからの禅譲を待ち続けた。アベの「天の声」を期待して待ち続けた。最近では国内では4人の大臣辞任劇である。この時も・・・自分の腹の中は分からないが・・・本人が辞表を出すまで待って、自らが更迭したという印象を薄めた。これは今後の関係を考えてのことだろうが、その間支持率がぐんぐん下がっていくのに気が付かない。
 また、今国会の重要案件には、統一教会被害者救済法もさることながら、防衛費対DP2%問題とか、原発再開問題もある。前者は今年の夏、NATO会合に日本がオブザーバーとして招かれ、そこで舞い上がった岸田がドイツ案に飛びついただけ。子分の小野寺ら防衛族は、これを国際基準のように云うが、そんなことはない。ドイツが勝手にそう云っただけだ。又原発再開でも、これは経団連や電力業界の言い分を聞いただけで、根拠に乏しい。
 重要な決断をしなければならないときに、小心者だから自分では決断できない。だから他人に救いを求め、それを金科玉条のように扱う。防衛力強化ではNATO、中でもドイツの真似をし、原発再開では、原発村の言い分を自分の決断のように振舞う。その実態は世間にはお見通しだから支持率はますます下がる。しかし根が頑固だから、ひっくり返るまで辞めない。気が付いたときはもう遅い。アベ国葬の顛末を見ればよく分かる。
(22/11/29)

 一体どっちが勝ったのか分からないアメリカ中間選挙。トランプは「20か30位民主党議席を減らせるはずだったのに、たったの10 だ。これはお前らが能無し、間抜けだからだ!」と息まく。一方共和党内には「最早トランプの神通力が効く時代は終わった。トランプは賞味期限切れだ」と冷めた見方も。とりあえずほっとしたのはバイデン。「この結果は民主主義の勝利だ」と、なんだか民主党が勝ったようなスピーチ。
 アメリカはほっとしたが、ほっと出来ないのが我が国岸田政権。ただでさえ山際や寺田問題があるのに、今度は法務大臣の葉梨発言。続けさまの国務大臣発言チョンボ。トランプじゃないが「・・・支持率が下がったのは、お前らが能無しだからだ!」といいたいだろう。
 その能無しを選んだのは誰だ、と云われるとぐうの音も出ない。その中で特に酷いのが政調会長の萩生田。現内閣組閣時点では萩生田が濃厚統一教会汚染議員だったのは分かっていた。彼は今後接触を断つと云っているが、そんなことはない。今も何らかの関係は続いているし、今後も続くだろう。そんなのが、山際の処遇を勝手に決めたり、やりたい放題。
 そこで考えられるが、今国会での統一教会被害者救済法成立を見て、年末サプライズ解散もある。ここで統一教会系や反岸田でやりたい放題議員をふるいにかけ、盤石の体制を作ることだ。只問題は岸田の度胸。
 思うに岸田のポリシーは、「波風を立てない」ことだ。それはこれまで如何にアベに馬鹿にされても「波風立てず」禅譲を期待してきたことにも伺える。これは宏池会の伝統かもしれないが、波風はコイズミやアベのように不必要に立てるべきではないが、立てるべき時には立てなけりゃならない。ただこれまで立てたことがない人間にとって、波風を立てるというのは、大変なプレッシャーでストレスの原因になる。しかし一旦立ててしまうと、結構慣れてしまって快感になったりする。
 トランプだって、最初立候補した16年は、本人自身勝てるなんて思っていなかった。だから波風立てる放言を繰り返すと、結構反応があった。それで放言をエスカレーションさせ、波風を大きくしたら、なんと選挙に勝ってしまったのだ。それと同じで、世の中いざとなれば「波風立てた」方が勝ちということも多いのである。
(22/11/10)

 「ラクダ理論」というのがある。これは今から50年以上昔、イザヤ・ベンダソンこと神田の古本屋の親父山本七平が、文藝春秋に連載した「ユダヤ人と日本人」という論説で紹介された説である。隊商が砂漠で砂嵐に遭遇すると、ラクダは地面に穴を掘り、それに頭を埋め、うずくまって砂嵐が過ぎるのを待つ。嵐が過ぎると、何事もなかったかに様に又歩き出す。日本政府は何か問題が起こると、何もせずに頬かむりして、世間が忘れるのを待つ。このやり方は当に砂嵐をやり過ごすラクダと同じだ、というのである。
 さて七平から50年以上経って、今の日本政府(というより自民党政府)のやり方は変わっているでしょうか?
 第二次岸田内閣発足当時、挙げられた問題点は次の4点がある。
1、統一教会問題
2、経済対策
3、アベ国葬問題
4、新型コロナ対策
 である。このうち3は片付き、4も関心が薄れてきた。ところがこれに新たに、5、東京オリンピック疑惑と6、長男秘書官問題が現れてきた。これらの中で、今最も「ラクダ」的なものはやっぱり1、統一教会問題でしょう。この問題、9月時点までは自民党国会議員の問題だったが、今や地方議会まで影響が広がってきている。野党の追及、対策法協議についても自公与党はのらりくらり、引き延ばしを諮る。その原因は公明=創価学会の抵抗、中でも献金の制限への抵抗が大きい。自民党にも日本会議を通じて「立正佼成会」とか「生長の家」とか、いろいろ宗教系しがらみが多い。
 では統一教会をここまで肥大化させ、問題をこじらせたのは誰でしょうか?普通は自民党、中でも清和会系と考える。しかし最大の責任者は文部科学省である。統一教会は90年代に霊感商法で摘発を受け、更にオウム真理教との関係から公安の監視を受けている。更に05年には新世事件というのを起こし、これも裁判で負けている。公安から何らかのレクチュアを受けているはずだが、それもないとすればそれこそ大問題。こんな札付き団体が名称変更を申請してくるには何か意図がある筈だ。それにもかかわらず、2015年に名称変更をいきなり認可した下村博文の責任は大きい。下村にことの重要性を判断する能力があるとも思われず、おそらくアベ晋三の指示だろう。
 おりしも来年4月には統一地方選挙だ、自公ともにこの問題を引きずりたくはない。献金に制限を加えられたら、中には資金不足で選挙ができない、てな議員もいるだろう。だからやっぱり「ラクダ」を決め込むのである。自民党中央は、建前上統一教会との絶縁を宣言しているが、これはあくまで建前。本音、特に選挙に弱いアベチルドレンにとっては、あきらめきれないはずだ。但し何時までも「ラクダ」を決め込んでおくと、その結果は今後の内閣支持率、遅くとも来春の統一地方選挙で明らかになるだろう。
(22/11/06)

 岸田内閣の支持率低下が止まらない。毎日新聞他の調査で35%、時事通信で37%。刻一刻危険水域に近づいている。その原因は以前にも述べたが、1)統一教会対策、2)物価対策、3)長男問題である。今の国会答弁でもこれらの問題に対し、何ら手を打つ気が感じられない。
1)統一教会解散請求に対しても相変わらず「信教の自由」を建前に、「統一教会に対する調査を検討するよう」関係省庁に指示を出した、に留まる。鼻っからやる気がないのだ。
 何故か?無論党内、中でも最大派閥のアベ派に統一教会汚染議員が多数居り、うっかりこれに手を出すと倒閣運動に発展しかねないからだ。それだけでなく、連立を組む公明=創価学会の意向も組まなくてはならない。創価学会だってカルト度では統一教会と大差ない。池田利権に消えたと疑われる怪しい巨額献金などいくらでもある。特に地方の文化会館とか、大規模霊園など。これだって、被害にあっているのは信者だ。要するに宗教に手を付けると選挙に勝てなくなる。それが怖いのである。
2)物価対策の本質は円安対策である。これに対する岸田の方針はなにか、というと「円安で利益を得た企業を支援する」というもの。こういう企業は輸出関連企業だ。彼らは何もしなくても円安で利益を得ている。今更何を支援するというのか?円安で被害を受けているのは、電気・ガス等エネルギー産業、食料、大企業の下請け中小企業など、生活に直結している産業である。統一教会対策と同様、視点が明後日の方向を向いてしまってピントがずれている。
3)長男の秘書官抜擢についても「・・・総合的に判断し」と言い逃れる。「総合的判断」とは公共事業などでもよく用いられるが、要するに「明確な説明が出来ないから、そこを誤魔化すために使われる常套句である。中身はないのだ。
 要するに問題のポイントが何処にあるかを理解する能力に欠けているのである。岸田の売りは「聞く力」だった。その代わり、弱いのは理解力と発信力だったことがわかった。これがここ1年の岸田政権だった。
(22/10/16)

アベ国葬で一発逆転支持率回復を願ったものの、現実は相変わらずの支持率低下。何故か?何時頃から支持率が下がりだしたかというと、8月に入ってから。アベ殺害事件の背景に統一教会問題があり、それにアベ晋三と自民党が深くかかわっていたことが次第に明らかになった。それだけでは支持率低下には繋がらない。これに岸田が国葬を独断で決めたことが重なって支持率低下のきっかけを作った。これに自民党議員と統一教会との関連を、調査ではなく点検という中途半端な策で乗り切ろうとしたことにマスコミの批判が集中し、9月に入って大幅支持率低下を招いた。
 本来これはアベ国葬で跳ね返すはずだったが、実際はそうはならなかった。
1、国葬が16億も懸けたわりには、陰気で安っぽい感じだった。その1週間前にエリザベス女王の葬儀があったから、誰でもそれと比べてしまう。
2、統一教会への対応が、相変わらず中途半端で何故か統一教会に及び腰という感を与える。その典型が10月臨時国会での野党代表質問に対する答弁で「・・・憲法上信教の自由という点を踏まえて、慎重に対処・・・」と、統一教会擁護派が常套手段として用いる「憲法」と「信教の自由」を持ち出し、物事の本質を曖昧にする態度が見え見え。統一教会とアベ派への忖度と見られてしまう。更にアベ晋三への調査拒否とか、本人の責任ではないかもしれないが細田の問題も関係しているだろう。
3、その中で突然飛び出した自分の息子の首相秘書官抜擢。今時こんなことをやれば、それこそ公私混同、時代錯誤のオンパレードでマスコミから叩かれ、支持率低下は必定。誰がこんなことを言い出したのか?それとも国葬と同じ、岸田個人の独断か?それならKYの極みだ。
 自民党応援団の田崎は「今から育てておくことは政治家として正しい」などと、タワケタことを云っている。しかしそれは政治家の世襲、政治の私物化を認めることで、江戸時代の封建制と何にも変わらない。明治維新が何のためだったか、日本の近代化は何を意味しているかを、この男は全く理解していないのである。それはアベ晋三も麻生太郎も同じだ。
 その他今後岸田内閣の足を引っ張りそうな案件もある。その中で最大のものは東京オリンピック疑惑。これの処置を誤れば、支持率は更に低下する。なお統一教会問題と、東京オリンピック疑惑には、アベ、菅、麻生そして細田らが、関係しているのは間違いない。
(22/10/12)

アベ国葬が終わって来週はいよいよ秋の臨時国会、そして政局の季節。政局の中心は、やっぱり「統一教会」問題だ。そしてその中心が自民党、中でもアベ派(清和会こと統一教会永田町支部)。統一教会汚染議員が最も多いのがこの派閥。さて彼らは果たして統一教会と縁を切れるでしょうか?
 結論はNOです。その証拠が先日公開された衆院議長細田の書面。ここでは過去にあった統一教会との接点は認めているが、今後については「社会的問題のある団体との関係については、今後適切に対応する」というのみで、統一教会との絶縁を表明していない。それは細田だけでなく、自民党の他の汚染議員にも共通している。
 細田は今は党籍は離れているものの、実質的にはアベ亡き後、森と並んでツートップのアベ派のドンだ。森は東京オリンピック疑惑で統一教会どころではない。今後細田が影のキングメーカーとして君臨するだろう。こういうのがトップにいる限り、アベ派議員特に選挙力の弱い若手議員が、統一教会との縁を切れるわけがない。サタンルシファーは変身の名人。いずれ何か形を変えて復活する。その証拠が現れるとすれば、それは来年の統一地方選。無論その前に、岸田がまたまた早とちりして、臨時国会明けにいきなり解散総選挙にうってでるかもしれない。その時に本当に自民とが統一教会と絶縁できたかどうかが分かる。萩生田や山際など濃厚汚染議員が当選すれば、未だ縁は切れていないことになる。
(22/09/30)

 9.27アベ国葬が終わりました。無論中継などみません。元々私は昼間はテレビを見ないからどうでもよい。夜の報道番組などを見てみると、私のの感じでは「岸田による岸田のための国葬」、そして見事に失敗したといったところだ。
1、テレビで幾つか映像を見てみたが、ズバリ言って全体が陰気で形式ばっており、日本人特にアベファンの保守系はやってよかったと思うかもしれないが、海外特にキリスト教国からの参列者には、日本の葬儀の意味が理解できず、がっかりした方が多かったのではなかろうか?やっぱりやらなかった方が良かったというのが印象だ。演出が下手なのだろう。
2、場外では反対派と賛成派の場外乱闘。反対派の、あの昔の全共闘センス丸出しの抗議形態にもいささかうんざりする。一方、一般献花には2万人が押し寄せ、3時間待ちなんていう。これだけ見ると如何にもアベ人気が凄かったように見えるが、その大部分は動員だ。そのうち1/3から1/2は統一教会がらみだろう。これは保守系マンガ家の小林よしのりも同じことを云ってる。誰でも考えることは同じだ。
3、中でも私が興味を持ったのは、当日のテレビ視聴率。最も高かったのがNHKの9・7%、民放は軒並み5%前後以下で、最もアベ寄りだったフジが最低の3%。アベ批判派のTBSが一番高かったのが皮肉でもあり、興味深い。これらの数字が高いか低いか、平日の午後ということもあって一概にいえない。そのうちメデイアの中の視聴率専門家がなにか言い出すだろう。
4、評論家達の間で悪評芬々が岸田の官僚的弔辞。それに比べ評価が高かったのが菅の弔辞。「心がこもっている」とか「言葉が素晴らしい」とか、内容は別にエモーショナルな評価。これに対し「あれは裏で電通が糸を引いている」てな陰謀論も出てくる。菅自身、官房長官時代に木ではな括ったような説明しかしてこなかったから、メデイア的には菅にあんな文章が書けるはずがない、といった先入観があっても不思議ではない。筆者のような理系人間は、あんな独りよがりの、天もに上るような浮ついたエモい文章は気持ちが悪くて書けないし、読みたくないし、聞きたくもない。あんなのを素晴らしいという文系人間の脳の中身が理解できない。やっぱり文章は理路整然で無くてはならない。
 大体が政治家の文章というのはゴーストライターがいる。有名なのは田中角栄の「列島改造論」だが、これは当時の通産省、建設省の若手官僚の合作だ。小沢一郎の「日本改造論」もそうだった。菅の弔辞が電通作とまで云わないが、菅の人脈ではゴーストライターは幾らでもいる。それとその内容だが、アベ晋三が未だ生きているか蘇りを願うかのような内容だ。これは岸田への当てつけに他ならない。いずれアベ=自分(菅のこと)が政権に復帰するという意欲の表れか。そうだとしたら、岸田にとって、この国葬はアベ復活のきっかけになり、政治的にも大失敗。アベを政治利用するつもりだったのが、逆に働いてしまった。残念!
(22/09/29)

 いよいよ英国エリザベス女王国葬が始まります。ここにはアメリカのバイデンを始め、フランスのマクロン、カナダのトルドー他各国首脳が集まり、既に弔問外交も始まっているという情報もある。その中で一人日本の岸田だけ蚊帳の外。しかしこれは岸田の所為ではありません。イギリスは元首の葬儀だから各国元首又は元首級を招待しただけ。イギリスは天皇を元首と考えたのでしょう。その場合、首相は招待の枠外となる。
 理屈の上ではそうですが、腹の虫が収まらぬのは岸田と自民党。それだけではなく、マスコミはこれを取り上げて、岸田の外交力のお粗末さをあげつらうでしょう。アベならどうしたでしょうか?何が何でも、天皇を押しのけてでも参列を強行した可能性もあります。先にあの世に行ってくれて、よかったですねえ。
 そしてそれに輪を懸けるのが、このところの内閣支持率の低下。本日の毎日新聞発表では内閣支持率は遂に30%を割って29%、危険水域に差し掛かっています。また、国葬反対も60%越え。常に自民応援団の読売・産経も9月に入ってからの世論調査では内閣支持率は50%を割っている。今では、毎日ほどではないにしても、40%前半まで低下している可能性がある。
 一体誰の責任だ!内閣支持率低下の原因には、新型コロナ第7波対策の混乱、円安物価対策という面も大きいが、やっぱり統一教会問題、アベ国葬問題の混乱が大きい。統一教会問題は自民党と教会との関係の問題でもある。従って解決は幹事長である茂木の責任になる。又アベ国葬問題は内閣閣議を経ているので政治問題である。この解決は官房長官である7松野の責任。ところがこの二人がボンクラ合戦ばっかりやっているから、世間の批判はトップの岸田に集中し、支持率を下げる。
 もう一つの問題は、麻生、二階、細田の三人の長老である。彼らは幾多の顕職を歴任し、これ以上の出世はない。最早現役を引退したような存在だ。そういう立場の人物は、一旦引いた立場から、現役世代を指導・助言するものだ。ところがこの三人、余計なことばっかりやったりいったりして、岸田の足を引っ張るばかり。
 例えば麻生太郎は国葬について岸田が逡巡しているのを見て「理屈じゃねえんだよ!」と檄をとばした、という説があるが、本当ならまるっきり筑豊の三流ヤクザだ。なお皆さんは麻生太郎は「麻生財閥」のお坊ちゃまと思ているようだが。麻生財閥など、北九州のローカル資本。石炭は日鉄鉱業の、セメントは三菱鉱業の下請けに過ぎない。下請けというのは所詮下請けで、自分の周り以上のことを考える能力はない。
 二階俊博も国葬反対派に対して「国葬が終わればみんなやって良かったとなる、日本人なら」とか「国葬に反対する野党は選挙で苦労するだろう」てな余計なことを云って、炎上。内閣支持率低下に大きく貢献した。本当にやってよかったと思う日本人は誰か?それは統一教会である。何故なら、日本政府が皇族まで動員して、これまで最も統一教会に協力的な人を国葬にしてくれるのだ。これを宣伝に使わずして何を使うのだ。有難う、岸田文雄と自民党、というわけだ。そして本当に今後選挙で苦労するのは、自民党中でもアベ派だ。
 それと要注意の時限爆弾が「サメの脳みそ」森喜朗だ。東京オリンピック疑惑AOKIルートで森の名前が突如浮上。これはやばいと岸田が捜査の幕引きを図れば、それこそ更に支持率が低下する。
 ではどうすればよいか?乾坤一擲、アベ国葬後臨時国会を開いて、解散総選挙に打って出る。さてどうなるか?統一教会は自民党への選挙支援は拒否するだろう。それどころか、これまで教会の世話になっていながら、都合が悪くなると関係ありませんとか、以後付き合いませんなどと云った議員には、これまでのことをばらして落選運動に打って出る。これは選挙に弱い議員により効果がある。そしてそういう議員は若手が多く、しかもアベ派に偏っている。アベ派潰しには絶好の機会だ。但し、副作用も強く、これで自民党が四分五裂する可能性はある。
 そこまで行かなくとも、解散風を吹かせて、反対派・・・無論アベ派のこと・・・を押さえつけ、弱体化を諮る手もある。
(22/09/19)

 アベ国葬招待の不参加を立民の蓮舫や清美がSNSで公開したのを、あるネット長者がアベに対し失礼だ、と批判した。ところが最近分かってきたのが、一部には13日受付締め切りギリギリの10日に速達で送られてきて、締切日が手書きで修正されてきたという。これは元々その人は招待リストにはなかったが、出席者が予定より少なかったので、慌てて拾い集めたのだろう。
 葬儀の招待を断ってそれを公開するのが失礼らしいが、これが私的な葬儀ならいざ知らず、政府主催の国事行為である。国事行為とは政治行為でもある。特に今回のアベ国葬は国会承認も経ず、三権の長の了解も得ていない。つまり極めて強い政治的判断で決定されたものだ。これに行く行かないは本人の勝手だ。その意志を明らかにするのも、政治家意志の表明だ。それより、人が集まらないからといって、数合わせで誰でもいから集めろ、という岸田と岸田官邸の方が、よっぽど故人に対し失礼だろう。
 エリザベス女王葬儀に天皇が列席する。これはまあよいとして、それに岸田が随行するというので世間の顰蹙を買っている。それどころか、自民党内にも批判が出ている。このようにやるべき時には何もせず、ほとぼりが冷めたときにしゃしゃり出てくるタイプの人間は世の中に結構いる。筆者もサラリーマン時代はこの手の人間をよく見た。ずばり田舎者なのである。田舎者は常にお代官様に頭を押さえつけられているから、大事なことを図る能力が育たない。その代わり村の祭りとか、どうでもよいことには率先垂範。お代官様の目に留まろうとする。女王葬儀出席も、天皇の隣に座を占め、テレビに映って、支持率アップを狙っているのだろう。
 天皇が出席することで、英国と前国王への最高の儀礼は尽くされている。それに岸田が随行するということは、天皇だけでは不足ということか?それこそ天皇に対する不敬この上もない。アベ国葬もアベ横死の政治利用という批判がある。今度の英国行きは天皇の政治利用のという批判が起こりかねない。いい年(67才)にもなって、こんなトンチンカンなことをするのか筆者には理解出来ない。
(22/09/12)

 イギリスのエリザベス女王が逝去された。葬儀は10日後ということだから、今月の18日。出来るだけ質素なものという女王の希望もあって、参列者は数100人ぐらいになるかもしれない。方や日本のアベ元首相の”国葬”は6000人の参列を見込んでいる。数からいうと圧倒的にアベの勝ちだ。
 しかし問題はその中身である。無論イギリス政府は未だその内容を公表していないが、女王の存在感から見れば、各国首脳が集まるのは当然。アメリカからはバイデン、フランスからはマクロン、ドイツはショルツか大統領、中国は分からない。その他各国も元首級がやってくるだろう。
 日本は誰が行くのか?まさか駐英大使ということはなかろう。そんなことをすればまたまた恥をかくだけだ。儀礼上皇族が派遣されるのは当然。又何か月か後には新国王の戴冠式が行われるはずだ。それを考えると、葬儀のような忌事は男性皇族、戴冠式のような祝い事は華やかな女性皇族が良い。愛子内親王の派遣というケースもある。愛子の外交デビューだ。愛子女帝への地ならしにもなる。
 それに比べアベ国葬の来賓は、数は多いが中身がイマイチ。本当の意味で現在の世界に影響を及ぼすメンバーがいない。無論オバマのような超大物もいるが、彼はすでに政治の第一線を退いている。彼が何を言おうと、大きな影響はない。
 10日後のエリザベス女王葬儀参列メンバーを見ることによって、今の日本の地位が客観化されるだろう。
(22/09/09)

どっちみちそんなものだと思っていたから別に驚きもしない、国会の閉鎖中審査における岸田答弁。「壊れたテープレコーダー」と「ごはん論法」の繰り返し。誰が始めたかというと、第二次阿部内閣から増えたが、始まりは小泉純一郎の「争点はぐらかし答弁」だからだろう。
 筆者が覚えていたのは、落選して失業中にある会社の社長から資金援助を受けていたがそれを申告してなかった件の野党質問に「あの社長は実に太っ腹で良い社長だった!」とはぐらかし、失笑を買った事件である。そういうことを傍らで見ていたのがアベ晋三。やばい質問ははぐらかし、応えられない質問は従来の解答を繰り返す。言葉尻をとらえて、争点をずらす。これはアベ政権時代、国会で繰り返されてきたことである。
 岸田はそれをそっくり真似ている。ということは、結局は自分自身のスタイルを作れない、作る能力がないことを自ら証明したようなものだ。開成高校の実力とはそんなものかね。岸田もそうだが、今の50代、60代は言い訳が下手だ。やっぱり社会的な訓練が不足しているのだろう。
(22/09/08)

 戦後最初の国葬は68年吉田茂に対するものらしいが、実は筆者は全く記憶にない。当日はテレビは終日追悼番組で、官公庁はみんな半旗を掲げたというが、そんな記憶もない。68年と言えば、大阪は万博前の大騒ぎで、テレビを観るどころか、寝る暇もない程の忙しさ。又当時の日本は70年安保を控えて不穏な情勢。68年は東京では日大争議に始まって新宿騒乱事件、大阪でも釜ヶ崎騒動に続いて御堂筋デモなど、社会的・政治的な騒ぎが多発。これを放置しておくと内閣支持率はどんどん下がる。こっちの対策の方がよっぽど重要なのだ。そのため、吉田国葬で世間の目をそらそうとしたのだろう。しかし吉田国葬など、世間ではどうでもよかったのだ。それで記憶に残らなかったのだろう。
 さて今回のアベ国葬。それを取り巻く社会的・政治的条件はどうか?まずは統一教会問題、物価問題、新型コロナ対策が緊喫の課題である。これを放置しておけば内閣の浮沈に関わる。そこで世間の目をそらすために、何が何でも国葬をやる。54年前とよく似ている。ということは22年アベ国葬も、殆ど記憶に残らないまま消えてしまうだろう。
 私がアベ国葬に反対する理由は、単に彼が国葬に値する人物ではないからだけではなく、国葬であれば皇族の誰かが彼に向かって拝礼することになる。アベ晋三は日本に於ける統一教会の代表的人物。ということは、アベを通じて日本の皇室が統一教会に頭を下げることになる。これを統一教会が利用しないはずがない。かくて岸田と自民党は、日本が韓国と統一教会に屈服したという宣伝に手を貸すことになる。
 そういう点に岸田も政治家もマスコミも、全く気が付かないのが不思議千万。
(22/09/07)

 世間の関心はいよいよ統一教会から、9.27アベ国葬に移ってきました。アベ殺害事件から6日後に、いきなり岸田が言い出したもの。野党どころか、どうも自民党内にも十分な根回しがなかったらしい。始めは党内保守派・・・所謂岩盤右翼・・・への配慮か、とも思ったが、それでもないらしい。
 そこで岸田が持ち出した理屈が
1、8年7カ月という長期政権を維持したこと。
2、その間幾多の難関を乗り越え、課題を解決したこと。
3、世界各国首脳から弔電をいただき、それに報いることと、友好を確認すること。
4、国葬を実行することによって、民主主義の強さを国際的に示すこと。
 てなところだが、1、2、4は取ってつけた屁理屈で意味はない。本音は3と、これは言葉にできないが、岸田個人のアベに対する思いが優先されたと云われる。3については、岸田宏池会には苦い思い出がある。それは1963アメリカのJ.F.ケネデイ国葬の対応である。当時の日本総理は池田勇人。当初日本政府は、駐米大使の出席だけで済ます予定だった。ところが調べてみると来るわ来るわ、フランスのドゴール始めソ連のフルシチョフまでやってくる。これではイカンと池田が慌ててとんでいった。世界的大恥だ。
 岸田はアベは世界的有名人だから、J.f.k並みにさぞかし大物が来ると踏んだのだろう。そしてその大物達の弔問外交を通じて、日本のステータスを上げ、ひいては岸田内閣支持率を挙げるという目論見。露骨な個人の死の政治利用です。
 そもそも本当に要人が大勢やってくるのか、というのが筆者の当初からの疑問。そしてその疑問が次第に本当になりつつあります。アメリカは副大統領とオバマの出席が予定されているが、その他G7各国で出席が確定しているのはカナダのトリュドーだけ。ドイツはメリケルが予定されていたが、キャンセル。イギリスは首相そのものが決まっていない。ジョンソンが来ても彼は最早過去の人。
 当たり前だが、ヨーロッパ各国はウクライナ戦争とエネルギー、経済問題が大変で、東洋の過去の人の葬儀に出席する余裕などはない。岸田が思い描いた弔問外交など、絵にかいた餅なのである。お陰で外務省は各国の大使館に電話をかけまくり、首脳の刈り取りに発破をかけているらしい。普通、結婚式とか戴冠式とか慶事に招待するが、葬式に招待するなんて聞いたことがない。
 岸田内閣は国葬費用の開示に消極的だった。その理由として挙げたのが、多数の各国要人の来日が予想されるが、その数が掴めず警備費用が算出できないというものだった。ところがその前提すら崩れそうな状況だ。
 この問題、原因は岸田の見通しの甘さが大きいが、それを補佐する官房長官の松野、幹事長の茂木、この2人のボンクラの責任の方がが大きいように思える。官房長官と与党幹事長がボンクラ合戦やっているようじゃ、この内閣の先は短い。
(22/09/05)

 古代日本には「言霊信仰」というものがあって、一旦口から発生された言葉・・・これを「こと上げ」という・・・には魂があり、これに反することを行えば、祟りを受けるとされる。有名な話では「古事記」の中のヤマトタケルがある。関東を平定して尾張に戻ったタケルが、地域に仇なす伊吹山の大猪を退治すると「こと上げ」して山に入ったが、大猪の逆襲にあって負傷し、鈴鹿山中で息絶えるという物語。
 こういう「こと上げー言霊」の祟りは現代にも続いている。大戦末期、一部の軍人は「聖戦貫徹」を叫んで対英米講和を拒否し、クーデターまで起こした。これなど一種の言霊信仰の結果と考えられる。つまり、大戦前・中において、軍部、特に陸軍参謀本部や海軍軍令部は「聖戦必勝」と「こと上げ」したものだから、形勢が悪くなっても今更軌道修正できない。そんなことをすれば「言霊」の祟りがある。それが怖いから国民も道連れにしようという自己保身発想。
 さて現在の最大の言霊は何か?それは「アベ国葬」である。7/08にアベが射殺されると、岸田はいきなり「アベ国葬」を言い出した。野党は勿論、党内各派や政府にも根回しした様子はない。つまりこれは「こと上げ」である。この結果この言葉に「言霊」が宿ることになった。
 ところがその後、事件の背後に統一教会があることがわかり、それは自民党に跳ね返り、次々と統一教会汚染議員が発覚してしまった。おまけにその言い訳がみんなお粗末なものだから、ますます信用を無くし、内閣支持率が大幅低下。ナントカせねばと思っても、一旦「こと上げ」をしてしまったから、今更止めますとは云えない。それで経費を安く見せかけたり、時間を短くするなど姑息な誤魔化しに逃げる。これこそ安易な「こと上げ」をしたばかりの、「言霊の祟り」である。
 では殺害されたアベ晋三は「こと上げ」をしなかったか?とんでもない。第二次アベ内閣発足後、彼は戦後レジームの脱却を訴え「憲法改正」、「北朝鮮問題解決」、「北方領土問題解決」、「アベノミクスによる景気回復」という四つの「ことあげ」をした。しかしこの中で達成されたものは一つもない。安易な「こと上げ」には祟りがある。7/08奈良県西大寺市で、後頭部からの銃撃死という「言霊の祟り」を受けたのである。
 それ以上のリスクは、統一教会がアベ国葬を宣伝材料に使うことである。そのリスクは単なる可能性ではなく、まず間違いない。国葬であるからには、皇室の誰かが参列するかもしれない。統一教会はこれ幸いと、宣伝に使うだろう。例えば天皇がアベの遺影に頭を下げたとして、その映像を世界日報に載せて世界中に発信する。統一教会は既に韓国でアベ追悼式典を挙行している。世界の人々はアベ晋三と統一教会を一体のものという先入観を植え付けられている。そこに天皇が拝礼すれば、統一教会は日本天皇も統一教会を通じて韓国に跪いたと宣伝するだろう。そしてそれは文鮮明の予言書に載せられているのだ。それでも国葬を強行しますか?
(22/08/27)

 岸田内閣サプライズ改造直前に、岸田は森喜朗、青木幹夫の2人とひそかに会談。側に遠藤選対と小渕優子が控えていたのがイミシン。森はともかく、青木なんて老害が未だ生きて現役だったというのがビックリ。こんなロートル連中を首にもできず、おだてて甘やかしてきたのもアベ政治の欠陥の一つ。とにかくこの三人で、今回の改造人事の骨格が決まったのは間違いない。
 その主旨は、何をおいても党内融和、中でも清和会の分裂を避けること、にあると考えられる。そのためには、世間に評判の悪い統一教会との関係はとりあえず目をつぶる。統一教会問題を厳密にやれば、清和会はバラバラになるか、清和会を中心に岸田倒閣運動に火が付き、自民党は分裂騒ぎになりかねない。
 もう一つのポイントは9.27アベ国葬。既に幾つかの世論調査では、反対論が賛成論を上回る勢い。その原因の大きなものは、いうまでもなくアベと統一教会とのべったり関係である。この関係は時間とともにメデイアに暴露される。時間が経てば経つほど、政権に不利になる。
 一方外国はというと、アメリカはオバマだけでなく副大統領のハリスを派遣すると表明。外務省が相当動いたのだろう。これにつられて他の要人も来るとなれば、岸田の勝利。オリンピックと同じで、当初は反対でもいざ事が近づき有名選手がやってくるとなると、何故か歓迎ムードになってしまう。そのうち統一教会など忘れてしまうさ、といつものラクダ作戦を決め込む*。みんなこれに騙されるのである。
*砂漠で砂嵐に合うと、ラクダは地面に穴を掘り、しゃがんで首を穴に突っ込んで嵐が通り過ぎるのを待つ。嵐が通り過ぎれば、何事もなかったように歩き出す。これはイザヤ・ベンダソンこと山本七平という古本屋の親父が、「日本人とユダヤ人」という題で文藝春秋に連載していたお話の一部。
(22/08/15)

 「寛容と忍耐」は宏池会創業者の故池田隼人のキャッチフレーズ。その後継者である岸田文雄のキャッチコピーはさしずめ「妥協と忖度」といった処か?池田は岸強権政治の後釜になった。事実上、岸田がその孫であるアベ晋三の後を襲ったのは、歴史の偶然か?
 それはともかく、昨日の第二次岸田内閣。当に印象は「妥協と忖度」内閣。何処との妥協か?というと無論「アベ」派とアベの遺言・・・遺言は云ってないが、参院選前にかなり具体的な人事を要求している。今回の人事で岸田が最も注意したのは、統一教会との関係だろうというのは間違いない。かといって統一教会と接点が合ったメンバーを全て排除したわけではない。例えば、加藤勝信、高市早苗は限りなくグレーだが入閣している。萩生田や岸信夫も限りなくグレーだが、要職についている。これらは派閥バランスもあるが、アベ晋三の要求を7受け入れた結果と考えられる。
 ここで面白いのがアベ印女性議員の中で、稲田朋美と高市早苗の関係である。元々アベのお気に入りは稲田だった。自分の後継者と呼んでいたこともあった。それに比べ高市は無派閥で、一時は野党にいたこともある。自民党では外様中の外様。それがいつの間にか地位は逆転。
 その理由はジェンダー問題。稲田は選択制夫婦別姓を認める立場で、これは立民などのリベラル野党と調和する。一方、高市は夫婦同姓論で、これは日本会議などの右翼セクトや、アベ晋三、統一教会とも共通する。この点からアベは次第に稲田を敬遠するようになり、高市重視に傾いた。アベの死でバックを失った高市など、何の価値もない。それでも経済安保相・・・居てもいなくても構わない盲腸閣僚・・・に置いたのは、やpっぱり岸田は未だアベの影に脅えているのか?
 処で高市早苗は果たして、日本会議やアベ晋三が期待するほど岩盤保守か?彼女は出身こそ奈良県で、保守バリバリ地域だが、大学は神戸大経営学部。ここは昔から近代経済学が主流。彼女も近経を学んだはずだ。従って経済政策のスタンスは新自由主義で、自民党保守の民族派や鎖国経済学とは肌が合わないはずだ。それが何故今、保守のエースを目指すのか?それは新自由主義者らしく、短期利益を追及するためのツールとして保守を選んだのだろう。時代が変わり、世の中が左傾化すれば、そしらぬ顔をして元々リベラルでした、と言い張るだろう。
 もう一つ問題なのは安保担当内閣補佐官となった岸信夫である。彼には次の二つの問題がある。
1、健康上の問題;車いすでの国会答弁が話題になったが、本当の病気は何なのか?報道では感染症尿道炎だが、本当に感染性なら、抗生物質で三日もあれば治ってしまう。また、記者会見でも声が弱弱しく出ていない。何か別に本当の病気を持っているのではあるまいか?
2、統一教会との関係;彼は既に統一教会とは、かなり深い関係にあったことを明らかにしています。無論「今後はその関係を見直す」とは云っているが、「関係を断つ」とは云っていない。仮に云ったとしても、教会側が簡単に去るとも思えない。カルトというものは、一旦食いついた餌は決して逃さない。ほとぼりが冷めた・・・マスコミが飽きた・・・頃に、又近寄ってくるのだ。
 首相補佐官というのは、担当省庁から挙がってくる報告を、首相に挙げてよいかどうかを仕分けるポジション。彼のさじ加減一つで日本政府の方針が決まることもある。そんな重要ポジションに統一教会に汚染された人物を配置して大丈夫か?何故なら統一教会と北朝鮮との関には未だパイプがあるはずだからだ。岸を内閣補佐官にするなら、健康管理と称して公安の監視下に置く必要がある。これも又兄のアベ晋三遺産。
(22/08/11)

 統一教会騒ぎとコロナ第7波ですっかり支持率が下がった岸田が、サプライズ的にやろうとしたのが、いきなりの自民党執行部人事と内閣改造。これでマスコミの報道を統一教会から、政局に振り向け国民の関心を統一教会からそらそうというわけ。ところがそんな目論見はすっかりマスコミに見抜かれ、新人事にも大した関心が持たれているようには見えない。閣僚も改造は半数に留まる見込みだ。なぜなら、大幅改造しようにも、統一教会汚染があまりにも広範囲に広がっていることが分かったので、うっかり広げるとグレーゾーンに引っ掛かりかねないからだ。というわけで、第二次岸田内閣は既に期待はずれとみなされている。
 第二次岸田内閣の売りの一つがアベ国葬である。アベ射殺事件の後、三日と置かず岸田は「国葬」を言い出した。その後20日も経たないうちに「国葬」批判論が高まり、中立系の時事通信調査で反対意見が過半数を越える有様。それに対する岸田の回答は
1)8年8カ月に及ぶ長期政権を打ち立てた。
2)選挙という重大局面で銃弾に倒れた。
3)国葬であれば、各国から要人が訪れ、日本にとって有益である。
 1)、2)は政治家特に永田町では重要だろうが、一般国民にとっては無関係。どう考えても国葬に値するとは思えない。3)は只の思い込み、自分勝手な期待に過ぎない。
 ある人物が、国葬にすれば各国から要人が訪れるのでコストパフォーマンスを考えればプラスであるという新自由主義的意見を述べている。これは岸田や政府と同じ考えだろう。つまりアベ国葬には各国要人、例えばアメリカ大統領始め元首級の要人が東京に集まる。彼らと岸田が親しく交わる様子をテレビやネットで流せば支持率アップは間違いない。てな姑息なことを誰かが、あるいは岸田本人が考えた。
 しかしここには大きな不確定要素がある。それは世界の要人が期待通り葬儀に参列してくれるかどうかだ。現在世界はかつてない緊張・・・核戦争もあり・・・に包まれている。アベ葬儀が予定されている9月末までに、その緊張が解消されているとは考え難い。そんな時期に、わざわざ東洋の果てまで、それも元総理という一般人で且つ統一教会というカルト集団と深い関係のあった人物の葬儀に、元首級が参列すると、国民から非難されかねない。従って、海外から要人として参列するメンバーも、元大統領とか元首相・・・例えばトランプやメリケル、ジョンソン・・・というレベルだろう。現役元首としては、台湾の蔡とか韓国の尹は考えられるが、他はちょっと思いつかない。その程度ではとても弔問外交とは言えない。無論やってみなければ分からないことだが、過度な期待は持たない方が良い。とにかく統一教会との関係が最大の不安要因だ。
(22/08/08)

 真犯人はその事件で最も利益を得るものである、というのは古典的推理小説のお決まりパターン。今度のアベ殺害事件で最も利益を受けた者は誰か?それは現総理岸田である。というと犯人のバックに岸田がいるように見えるが、無論そんなことはない。しかし岸田が最大利益を受けるというのも間違いない。
1、94人という最大派閥を束ねるトップがいなくなったのだから、党内におけるアベ派の影響力低下は免れない。場合によっては派閥分裂の可能性もある。トップがいなくなって、後継者も決まらない派閥は、他派閥の草刈り場になるのが普通。
2、岸田が安定政権基盤を築くには、人事を掌握することが必須である。このためには参院選大勝というハードルが必要だったが、アベ死亡でそのハードルが下がった。また、党役員や内閣人事でもアベの干渉が酷かったが、今後はその恐れがなくなる。何故なら、何処に誰を押し込むかは、アベ個人の判断だったが、今やそれをやる人材がいない。もし誰かが勝手に動けば、それこそ派閥分裂だ。つまりアベがいなくなったおかげで岸田は思い通りの人事が出来る。
3、さらに重要なことは今後の選挙戦略である。現在のアベ派議員の半数以上は、12年選挙で当選したいわゆるアベチルドレンが占める。又それ以外にもアベが自ら引っ張ってきたのもいる。彼らの大部分は自前の組織を持たず、いわばアベの応援が無ければ自前の選挙もできない。例えば杉田水脈とか稲田朋美だ。
 彼らが当面くぐらなければならない関門は、次の衆院選での公認争いである。現在の自民党規約では、公認権はほぼ総裁・・・とその派閥・・・が握っている。そこで興味が沸くのが衆院山口三区(合区で4区がなくなる)。ここにはアベの元秘書が立民から立候補する。アベ晋三が死んだから急ぎ代役が必要だが、それが決まらない。弟の岸信夫は1区からが決まっている。これまでの自民党のやり方では、嫁の身代わり立候補が定番だが、嫁のアッキーが立候補するとは思えない。第一安倍家のゴッドマザー洋子とアッキーは犬猿の仲。仮にアッキーが了承しても、洋子はウンと云わない。かくて伝統の山口下関選挙区は野党の手に落ちるか?
4、以上のことから、今年9月末臨時国会明けにサプライズ衆院解散総選挙もあり得ると考えられる。衆院議員の皆さん準備は怠らないように。
5、昨年末から所謂アベ人脈と云われる人物が、次々とこの世を去っている。昨年末には石原慎太郎、今年に入ってからはJR東海の葛西、つい最近は富士フィルム古森。残るは日銀の黒田とかキャノンの御手洗位だ。黒田は来年退任が決まっているが、後任には当然岸田の意向が反映される。つまり財政再建派が力を持ち、利上げ円高誘導が始まるだろう。当然株価は下落する。アベ円安インフレ政策で濡れ手で粟の荒稼ぎをしていた堀江とか村上、竹中平蔵などがショックを受ける。ネットでアベ賞賛を繰り広げるのは、みんなこの手の連中。彼らが地獄を見る日がやってくるのか?
 さてアベ晋三とは何者か?権力を自分の周辺に集め、政敵をたたき、臣下でありながら国家を自分のものにしようとした。例えていえば平清盛か。しかし安倍を清盛に比較するのは余りに清盛に対して失礼だ。なぜなら我が横井家は、伊勢平氏に連なるれっきとした平家の一門。
 例えるなら郷土の先輩、山縣有朋だろう。ある人物が山縣を評して「候は自分の近親や近づくものには親切で面倒見もよいが、遠いもの、批判者には冷淡である」と。なんだかアベのお友達・依怙贔屓、自民党員であっても石破のような政敵に対する無視路線とそっくりである。これが長州特に萩人の特性だろう。 
(22/07/09)

 昼過ぎ少し外出した。家の近所に府道の交差点があって、その角の一つが自民党のポスター掲示板。見ると、松川るいのポスターがない。また松川の選挙カーが通り過ぎたが、何も云わない。
 さてアベ晋三暗殺・・・今のところ未遂…事件。あの年で心肺停止だから、多分駄目だろう。アベは元総理だから、アベが死んでも国の外交方針や全体の政局が大きく変わることはあり得ない。むしろ自民党内政局、中でも安倍派が大きく影響を受けると考えられる・・・なにせボスがいなくなるのだから・・・。上に述べた松川はアベ派。場合によっては清和会の分裂、自民党派閥の再編成。野党でも維新がどう影響を受けるか、が興味の的。
 こういう事件が起こると、たちまち起こるのが「民主主義への挑戦だ」、「言論への弾圧だ」てな言葉が、与野党を問わず定型句のように出てくる。本当か?そもそもこんな事件を起こす人間が、民主主義や言論自由の原則を理解しているとは思えない。理解しておればやるはずがない。最も民主主義や言論自由の原則を敵視していたのがアベ晋三自身なのだ。本望ではないか。
 はっきり言えば、アベは総理をやめた時点で、政局から足を洗い、引っ込んでおけばこんなことにならなくて済んだのだ。
(22/07/08) 

今日日銀黒田が官邸を訪問したよし。さては進退伺か。さてアベはどう出る?
(22/06/20)

人間誰でも思い通りにいかないと、イライラ焦るものだ。今世界で一番焦っている人物といえばロシアのプーチンだろう。原因は無論ウクライナ戦線の不調。それに自分の健康状態が追い打ちをかける。次が中国の習近平。新型コロナ対策で打ち出したゼロコロナが、上海で躓き思わぬ人民の批判。盟友プーチンの苦境が追い打ちをかける。更に先般日本で開かれたIPEF、QUAD会合で、まさかのインドとアメリカの接近。
 では日本で一番焦っているのは誰か?といえば、おそらく元総理のアベ晋三。かつて優柔不断だのお公家さんなどと侮っていた岸田が、政権発足後コロナ第六波も沈静化を見せ、支持率は高いとは言えないが安定水準をキープ。そしてIPEFもQUADも無事終了。特にQUADはアベ本人が種をまいた案件だけに、岸田に油揚げをさらわれた感じだ。このままでは岸田長期政権が誕生する。それはイカン、なんとかせねばと連日あちこちの講演で岸田の足を引っ張る作戦。しかしどれも上手くいかない。例えば「日銀国の子会社論」、「敵基地攻撃能力」、「核共有論」など。特に「日銀子会社論」は世間の評判が悪い。他の発言も悪乗りだとか、火事場泥棒だとか返ってブーメラン状態。
 挙句の果て、代貸の細田を使って衆院議員定数見直し案の見直しを諮った・・・心は定数が4人から3人に減る山口県での、自分の議席を死守するため・・・が、細田が議員の給料は安いからもっと増やしてよいなんて余計なことまで喋るものだから、世間から叩かれるは、おまけに自分のセクハラ疑惑まで飛び出す騒ぎ。とんだ藪蛇だ。それを陰でニタニタ笑って見ているのが、岸田、麻生、菅といったところ。
 「去るもの日々に疎し」とか「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙に落ちると只の人」なんてことばもある。更に中国には「水に落ちた犬も打て」という言葉もある。一旦権力を握った者は、それを手放した時の反動が怖いから、常にびくびくしなくてはならない。それが冒頭に述べたイライラ焦りに繋がるのである。
(22/05/25

 ロシアーウクライナ戦争が始まって暫くはダンマリを決め込んでいたが、戦況がロシア不利となると、いきなりロシア批判、ウクライナ支持を打ち出したのが、ウラジーミル・アベこと、日本元首相にして現職国会議員のアベ晋三。
 この変わり身の早さというか、強いものにおもねるへつらい精神というか、二股膏薬振りにあきれる。何を言い出すかというと「ゼレンスキー大統領には過去4、5回会ったことがあります。夫人にも会いました」。小学生の言い訳にも劣る。会った回数が問題なのではない。そこで何を語ったかということが政治家として問題なのである。
 何も語らなければ相手の記憶には残らない。今回ウクライナ外務省が発表した支援国の中に、日本が入っていなかったことが話題になりましたが、その理由はこれまで日本の政治家が、何も語らなかったことだろう。特にアベのように、かつてプーチン支持を鮮明にしていた人物が長期に渉って政権を維持していたことを考えれば、俄かに日本を信用できないのも当然かもしれない。
 それはそうと、先月からアベの発言が活発化している。やれ核共有化とか、敵基地攻撃能力とか、防衛費GDP比2%とか、なかでも噴飯はこの円安で物価高騰を招いているにもかかわらず、円安は良いことだ、アベノミクスは断然正しかったと怪気炎。おかげで日銀のプーチン黒田は金融緩和を継続し、売国円売りを加速させている。
 何故か?アベが今一番気にしているのは内閣支持率。これは岸田内閣を支えようということではない。内閣支持率低下こそが望みなのだ。そうなれば再び政局に影響を与えることができる。ところがこのところ、内閣支持率は持ち直してきている。更にあるメデイアの調査では、夏の参院選で自民党圧勝という予測がでている。
 6月参院選は岸田内閣初の国政選挙。これに敗れれば、これを機に一挙に倒閣、萩生田内閣を、とふんでいたが、圧勝となると岸田長期政権という芽が出てくる。これはいかん。おまけに次の衆院選は、10増10減で山口県は選挙区が一つ減る。自分の選挙区に寄りによって自分の元私設秘書が野党から出てくる。おまけに隣の山口2区には天敵林芳正が出てくる。なんとなくアベ包囲網が作られているようだ。プーチンではないが、この際なりふり構わず敵を叩き潰すべきだ。敵とは云うまでもなく岸田だ。そのためにはテレビでもツイッターでも何でも使う、いや使わざるを得ない。さて彼が用意できる核兵器はあるのか?維新と手をつなぎ、橋下を核弾頭に使うという手も考えているだろう。
(22/04/28)

 あきらめたはずの佐渡金山世界遺産登録申請を復活。「聞く力」と並んで、最早岸田内閣の定番となった「朝令暮改」が本当になった。これで一番慌てたのは文科省と外務省だろう。この件を裏で操ったのは、死んだはずのアベと死にかけの高市。この二人の背後にいる自民保守派という亡霊に脅えて、突然申請方針に踏み切った。踏み切った以上後戻りはできない。申請の途中で取り下げれば、二度と再申請はできず、将来の新たな申請の障害にもなる。
 表向きは参院選に向けての保守派支援維持とか、反発する韓国に対する対抗とかいっていますが、本音は別のところにあるのではないでしょうか?この問題は直接の当事者は外務省。ユネスコの審査委員会は21か国。日韓でもめているとなると、委員会もはいそうですかと聞き流すわけにはいかない。日韓両国が各国に働きかけることになる。つまり両国の外交力が試される場にもなる。
 さて今の外相は林芳正。衆院10増10減で山口県は4区から3区になる。アベとしてはなんとしても林を落としたい。そのために無理難題を押し付けてイメージダウンを図る。一方林も負けていられないから、この問題をうまく片付けることにより山口政界を抑えられることになる。同時に岸田内閣の支持率もアップするから良いことづくめ。本当は佐渡金山世界遺産登録が失敗するのを望んでいるのが、アベ・高市。登録成功でウハウハは岸田・林陣営という摩訶不思議な世界。白土三平の弁証法の世界だ。
(22/01/30)

 佐渡金山の世界遺産登録を巡って、政府は登録申請を見送り。理由は韓国からの抗議にあった。その元になったのは、かつて中国が南京虐殺事件を記憶遺産登録しようとしたときに、日本が反対して潰したこと。このとき日本が用いた論理が「加盟国全部の支持を得られる必要がある」。とんだブーメランだ。
 このときの首相はアベ晋三。本人今回の政府決定にいたくご立腹のようで、「全体をよく理解させなくてはならん」とか云って、自分がやったことをすっかり忘れている。この様にアベ晋三の精神的特徴の一つに「幼児性」がある。
 それはともかく、筆者は何故佐渡金山が世界遺産として保護されなくてはならないのか、さっぱりわからない**。佐渡金山は確かに日本に富をもたらした。しかし佐渡で採れた金の多くはヨーロッパに安値で流出したり巻き上げられたりして、むしろ幕府の財政赤字の元になったのである。
 その例の一つが長州がやった下関戦争の賠償金だ。たった2時間の戦闘で下関砲台は陥落。連合国は30万両の賠償金を要求。幕府はそれをローンではなく、現金で支払った。第一次大戦でフランスはドイツに対し天文学的賠償金を要求したが、ドイツは粘ってローン支払いで時間稼ぎ。その間に大恐慌が起こってマルクは暴落。これをチャンスにドイツ中央銀行はマルクを切り下げ、賠償金をチャラにしてしまった。
 日本人の金銭感覚の無さお粗末さを、日本国民に記憶させるには意味はあるかもしれないが、世界的には何の意味もない。むしろ佐渡金山は囚人労働の場、水銀汚染*の中心地としてなら世界遺産にしてもよいかもしれない。
*当時の金の精錬法は水銀アマルガム法。
**旧鉱山の文化遺跡といえば長崎沖の通称「軍艦島」こと端島炭鉱がある。日本で最初に石炭が見つかった処だ。佐渡金山は明治以降三菱鉱山が所有運営していた。戦後は財閥解体で分離した三菱金属鉱業が所有運営していたが昭和30年代には操業を停止し、手を引いた。
 筆者は昔三菱鉱業の系列会社に居たことがある。当時の鉱山会社は膨大な土地資産・・・但しみんな不採算遊休資産・・・を持っていた。これが経営上の重荷となって、とうとう遊休資産の有効利用法・・・要するに邪魔者の処分法・・・を社員に公募することになった。それが系列にもおよんできた。ある時支店長から「長崎の軍艦島をどうすればよいか」と尋ねられて、「ギャンブルセンターがよいだろう。ドッグレースなんかどうだ。あそこなら海に囲まれているから暴力団もシャットアウト出来る。長崎だから中国韓国からも人が呼べる」といったら「ウンそうだな」という返事。
 その後鉱業と兄弟分の金属との合併話が持ち上がり、筆者の会社にも親会社の人間が入り込んできた。合併で当然リストラがあるから天下り先を見に来たのだろう。そして連中の話を聞いていると、やっぱり「軍艦島」はカジノだ、という話。つまりみんな考えることは同じなのだ。三菱の誰も旧鉱山に文化的価値をみいだしていなかったのである。それがいつの間にか世界遺産だ。佐渡金山も誰かが言い出したのだろうが、少なくともかつてのオーナーだった三菱マテリアルではないことは間違いない。
(22/01//21)

 昨年来からの半導体不足に怖気づいて、政府が国立8高専に半導体コースを新設。どっちみち経産省の指金だろうが、何故我が国政府、中でも経産省系はこうも泥縄・場当たり・その場しのぎ主義なのか。今を去る50年ほど昔、第一次オイルショックに腰を抜かした政府は、いきなり全国の理学部や工学部でも資源系学科の増設、定員増を始めた。これも通産省(当時)の強い要請があったからである。学科・定員問題は文部省の所管。しかるに通産省のような実務官庁が文部省に強い影響を与えるというのは、国家100年の計を誤る基になる。
 その当時筆者が感じたのは、理念も何もない場当たり主義で定員を増やせば、将来地質屋の大量失業に繋がるだけだ。何故なら、地質教育には大変な時間と手間暇が掛かるのである。たかが大学4年でおざなり教育をやっても、出てきた学生の殆どは使い物にならない。現場が迷惑するだけだ。そしてバブル崩壊後、筆者の懸念は当にその通りになったのである。
 他にも慌てて有資格者を増やして失敗した例は幾らでもある。80年代、宇宙ロケットの打ち上げ失敗が相続いたり、メーカーの性能偽装がばれたりしたため、経産省は技術士の増員を要請した。しかし数を増やすだけで。技術士に何の権限も与えなかったから、結果は同じ。
 そもそも技術士という制度は戦後アメリカの制度を導入したもの。最も積極的だったのは建設省で、アメリカに倣って弁護士同様業務独占制を導入しようとしたが、最も強く反対したのが通産省。三菱他のメーカーが既得権益を奪われるを恐れて通産省に圧力をかけたからだ。結局技術士の権限は抑えられ、企業側の力が残った。その結果がどうなったか。最近相次いで明らかになったメーカーのデータ偽装。 例えば東洋ゴムの免振ごむデータ偽装、神戸製鋼のデータ偽装。中でも三菱電機が最も性質が悪い。これらの企業は皆経産省直系の主流。
 この原因は技術系が営業の下請けと化したからである。その原因は、新自由主義経済の影響で経営者が株価ばかり気にかけ、業績優先で内部拡充を怠った。経営者がこんな状態で技術士の数だけ増やしても、技術の劣化を招くだけである。さて今回のにわか作りの半導体エンジニア速成作戦。果たしてうまくいくでしょうか?
 日本の技術水準を元通りまで取り戻すには、まず産業界がいかがわしい新自由主義やアベノミクスと手を切ること。経営者は目先の利益に捉われず、視野を広げ長焦点でものごとを考えること。そのためにはくだらない経済学教科書や解説書などごみ箱に捨て、歴史書を読むこと。株の上場を取りやめるのも一法である・・・劇薬だが。政府はアホだから政府の言うことを信じてはならない。市場の状況は自分の目で確認すること。てなところか。
 そしてなんといっても重要なことは、自社で人材を育てることだ。社長にとって最も必要な能力は人を見る目である。親友社員というものは、将来の幹部候補生であり、会社の未来を託す原動力だ。その採用を人材コンサルタントに外注したり、AIで機械的に選別して満足などもってのほか。そんあ会社に将来はない。マキャベリ曰く「国家は自前の軍隊をもたねばならない。傭兵は信用できず、外国の援軍はあてにならない」。
(22/01/03)

 何故か日本の自民党支持率が低下すると再開するのが、北朝鮮のミサイル実験。アベ時代このおかげで自民党政権支持率は、モリかけなどで低下したかと思うと回復してきた。まるで金正恩とアベ晋三が裏で手を握っているかのようにだ。
 過去最低レベルまで支持率が落ち込んだ菅政権に変わって岸田政権が発足すると、途端に始まったのが北朝鮮ミサイル実験。これに付き合っているのか、韓国までSLBM実験。この結果、たちまち復活してきたのが「敵基地保有能力」保持論。総裁選では高市だけで岸田jは消極的だったが、衆院選自民党公約にきっちり盛り込まれた。高市(=アベ)に押し込まれたのだ。この点が岸田の限界。
 なんとなく怖いジャイアンからこうしろと脅かされると、ヘイコラと従ってしまうのび太の印象なのだ。これも育ちが良すぎるためか。戦うための基本が出来ていない。岸田の陰気なポスターを見ても、自民候補者はモチベーションは上がらないだろう。ここ1年の短期政権に終わる可能性が高い。
 なお野党は今の状態では政権交代は目指さず、自公に責任を押し付けたほうが良い。理由は台湾情勢である。もし日本で政権交代が起これば、間違いなく中国は台湾で問題を起こす。今の野党にそれに対抗できる能力はない。敢えて火中の栗を拾う必要はない。
(21/10/17)

 国会論戦二日目。初日はまあまあだったが、二日目・・・各論・・・になると途端に腰砕け。やれ金融課税は見送るとか、成長あって分配だとか、まるっきりアベノミクスの焼き直し。総選挙を控え保守派・・・細田派、麻生派・・・への気配りだろうが、背後にアベの影がちらついているのが見え見え。この点が岸田の欠点か。いざというときに踏み切れない。
 これは彼自身の性格というより、出身校である開成の校風か?とにかく東大ー官僚コースがメジャーだから、いざというときに度胸が出ないのは当然。あの与野党バラマキ批判を文春に公開した財務次官も、結局は前・現大臣のウンを貰わなけりゃ、何もしなかったはずだ。あの財務次官論文は、本人の考えというより、バックの麻生やアベの意図を受けたもの。一種のアドバルーンだよ。
(21/10/12)

 なんと岸田内閣支持率が63%%強とV字回復。それもアベシンパにして自民保守系拡声器のフジサンケイグループ調査だから驚く。フジサンケイはこれはご祝儀だ、と云うが、通常ご祝儀とは政権発足直後の数字。今回の数字は岸田が国会で所信表明を行った後の数字。全く意味が異なる。これは60年、岸から池田への政権交代を思い出させる。
 岸内閣はアメリカからオイルメジャー救済のための資源エネルギー転換を迫られ、結果として出てきたのが、原発・・・これはGE救済策・・・と三井三池争議。更に続く60年安保闘争で、遂に退陣。ライバルの池田勇人に政権を渡した。この時岸は三池争議や安保反対デモ潰しに、全国の右翼・やくざを動員した。その走狗として全体を取り仕切ったのが児玉譽志夫。両者の腐れ縁は満州時代に始まるが、岸の内地帰国で一旦断絶。総理の東条がやくざとの付き合いを嫌ったのだろう。ライバルを倒すのなら、やくざじゃなくて憲兵を使う。:戦後岸が巣鴨から出獄して再び復活。
 岸の一見理念主義・・・というより吉田松陰以来の独りよがりのバカげた思い込み、木戸、山縣に至る権力主義・・・による強引政治が、結局政権崩壊に至った。次の池田は「対話と協調」を掲げ、ライスカレー会議で世論を和らげ、「所得倍増」を掲げて高度成長を成し遂げた。これが宏池会の原点である。
 「成長より分配」は池田の「所得倍増」に、「聞く耳を持つ」というのは同じく「ライスカレー会議」に通じる。フジの世論調査結果はそれを反映したものだろう。但しこれに党内保守派は猛反発する。これに対し岸田の姿勢が揺れれば、支持率はまたユリ戻す。総選挙まであと3週間。短いようで長い。一時の油断でひっくり返る可能性は十分ある。
*やくざとの付き合いを嫌った東条が死刑で、拒まなかった岸の量刑が少なかったのは何故か?東条には思想がなく、見方によっては共産主義に近い点もあるが、岸は徹底的な反共主義者だった。当時(1948年)、ヨーロッパではソ連の攻勢が強く、ヨーロッパ共産化の恐れもあった。アメリカとしては反共主義者の岸の方が利用価値があったのだ。
(21/10/11)

 岸田新内閣発足三日目で、マスコミ各社の世論調査結果が出そろって来ました。筆者はご祝儀も含め少し甘めに55%前後と予想しましたが、やっぱりオオアマでした。朝日の45%、毎日の49%というのは、アンチ自民の両紙なら当然かもしれないが、それでも50%割れは酷い。自民応援団の読売が54%、日経の59%というのも意外。これらマスコミ各誌の調査結果は世論全体の傾向というより、購読者の支持傾向、つまり朝日・毎日はアンチ自民(リベラル)系、読売・サンケイ・日経は自民(保守)系の傾向を表す。これらの結果から、云えるのは岸田新内閣は左右両派から十分な支持を取り付けていないということだ。
 まず、岸田は当初「新しい資本主義」というフレーズを掲げ、「成長より分配を」、というテーゼで金融課税強化等アベノミクス見直し路線を示唆した。これは宏池会の伝統でもある。また一連のアベ疑惑にも「丁寧な説明を」とアベ政治との決別を示唆した。これは党内左派だけでなく、野党にもウイングを広げる効果を狙ったもの。ところが、党内右派の反発を受けると途端に「モリかけ、さくらで再調査はしない」とか、「憲法改正」、「女系天皇否定」、「敵地攻撃能力保持」等、保守派の主張を受け入れる方向に転回。これにより左派リベラルの支持を失った。
 一方、対する保守派にとってアベノミクスを否定する分配重視経済は認められないし、総裁選の土壇場に、とってつけたように打ち出した右旋回も、実際は高市のところへ行く細田派票を横流ししてもらうための方便で本心ではない、要するに信用ならん奴だ。ということで保守派の支持も上昇しない。おまけに新政権人事の内甘利幹事長、高市政調会長は左右両派に歓迎できるものではない。この結果、支持率が伸びなかった。世間はご祝儀相場にならなかったというが、筆者はむしろ20%程度はご祝儀はあったと思う。これを差し引けば、実際の支持率は25~35%程度。つまり菅政権末期と変わらない、ということになる。
(21/10/08)

 岸田次期内閣メンバーの名前が次第に出てきています。筆者が興味を持つのは法務大臣です。法務大臣なんていてもいなくてもよい盲腸ポストじゃないかと思う人もいるだろうがとんでもない。今年国際問題にもなった名古屋入管のスリランカ女性死亡事件。これはそもそも法務省の所管。法務大臣が馬鹿で頓馬だから、またまた日本の国際評価を下げてしまった。
 問題はそんなところではない。例のアベ晋三「さくらを見る会」事件は検察審査会の命令で東京地検の強制起訴の捜査対象。これがあるからアベは表に出てこれない。もし検察が起訴ということになれば政治生命を絶たれる。これはなんとしても防がなくてはならない。
 検察の独走を防げるのは法務大臣だけ。法務大臣に自分の息がかかった人物を押せば、いざとなれば指揮権を発動できる。思い返せば大叔父の佐藤栄作が造船疑獄事件で逮捕寸前まで行ったとき、犬養法相の指揮権発動でピンチを逃れたことがある。この手を使おう。法務大臣を使って検察をコントロールする。これこそ岸一族のお家芸。
(21/10/03)